新車の納期が読みにくい今、PCX160を中古で狙う人が増えています。ところが「同じPCX160なのに価格が15万円以上違う」「年式で型式が違うらしい」と、いざ探し始めると判断材料が散らかりがちです。この記事では、PCX160中古の相場と年式の見分け方、PCX150との迷いどころ、後悔しない購入店の選び方までを、走行距離や費用の数字とあわせて整理します。
PCX160の中古相場と年式別の見分け方

狙い目は「2023年以降・走行8,000km以下・支払総額40万円台前半」
PCX160中古は2021年のフルモデルチェンジ以降の流通が中心で、2023年から型式が8BJ-KF47に切り替わっています。新車実勢が47万円前後まで上がっているため、中古でも支払総額40万円を切る個体は走行距離か外装に難があるケースが多く、安さ優先よりも「保証6か月・走行8,000km以下・前後タイヤ50%以上残」を満たす個体に絞ったほうが結果的に安くつきます。
価格表だけで判断せず、年式(型式)と走行距離の組み合わせで相場を読んでください。
注意
支払総額が本体価格より7万円以上開く場合、納車整備費・登録費・配送費が積み増されている可能性が高いため、内訳を見積書で確認しましょう。
PCX160中古の価格帯と新車との差

新車の値上がりが続いた結果、PCX160中古の相場も底上げされています。以下では走行距離・新車との差額・値下がりタイミングの3点で価格を読み解きます。
走行距離別の中古相場の目安
データで見ると、PCX160中古の市場価格は走行距離との相関がはっきり出ています。走行3,000km以下の個体は本体38〜42万円・支払総額44〜48万円が多く、新車との差は5万円程度しか開きません。一方で走行5,000〜10,000kmは本体32〜38万円・支払総額38〜44万円のレンジに集まり、走行1万km超になると本体28万円台まで下がる個体も出てきます。
走行距離が短い個体ほど絶対値の安さは縮みますが、消耗品交換のタイミングまで余裕がある分、年単位で見るとコストパフォーマンスは悪くありません。たとえば走行2,000kmの個体を支払総額46万円で買い、3年で2.5万km走ってから売る場合、買取相場は20万円前後を維持するケースが多く、月あたりのコストは7,000円台に収まります。逆に走行1.2万kmの個体を支払総額38万円で買うと、買取は12万円前後まで下がりやすく、想定よりトクにならないこともあります。
新車との実質差額をどう考えるか
結論から言うと、PCX160中古を選ぶ価値は「新車との差が7万円以上開いていること」を最低ラインに考えるのが現実的です。新車のメーカー希望小売価格は42.68万円前後、店頭の支払総額は47〜48万円が一般的なので、中古で支払総額40万円を切れば差額は7〜8万円ほど。これに新車1か月点検・初回車検前整備の不要分を足しても、得られるメリットは10万円弱です。
ただし、新車との差額が5万円以下に縮んでいる中古は割高な可能性が高く、メーカー保証(24か月)が残っている展示車・新車同様車を選んだほうが結果的に得です。補足すると、メーカー保証は登録日基準なので、走行距離が短くても登録から1年以上経過した中古は残存保証が短い点に注意してください。
値下がりが起きやすいタイミング
2月〜3月の場合と9月〜10月の場合で、PCX160中古の値動きはまったく違います。2月〜3月は新生活需要で在庫が動くため、人気色のホワイト・ブラックは値下げされにくく、むしろ強気の価格が並びます。一方で9月〜10月は車検・新型発表前の入れ替え時期で、店舗が在庫を絞りに行くため、本体価格が2〜4万円下がる事例があります。
マイナーチェンジが告知された直後(2023年1月の8BJ-KF47発表時、2025年2月のカラー変更時)は、旧型の在庫が支払総額ベースで3〜5万円下落する傾向があります。新色や装備変更が小幅な場合は、旧型を狙うほうが値ごろです。一方で、規制対応のメジャーチェンジで型式が変わるタイミングは、整備パーツの供給が長期化する旧型より新型を選んだほうが10年単位で安心です。
年式ごとの違いと選ぶべき年式
PCX160は2021年に登場してから5年で2回の型式変更を経ています。中古を選ぶうえで、見ておくべき差を年式ごとに整理します。
2021〜2022年モデル(型式 2BK-KF47)の特徴
ポイントは、PCX150から大きく変わった「初代PCX160」だという点です。2021年1月にフルモデルチェンジで登場し、156.9ccの新型eSP+エンジン、ホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC)、フロントABS、リア13インチホイール、シート下30Lメットイン、前後ディスクブレーキを一気に取り入れています。2022年モデルはカラー変更のみでメカニズムは共通です。
中古としてのメリットは流通量が多く、本体価格が比較的こなれていること。2026年4月時点で本体30〜36万円のレンジに集まり、状態の良い個体を選びやすい年式です。注意点としては、初期型ゆえに走行距離が伸びている個体が多く、リアショックがへたっている割合がやや高めです。試乗で30km/h以下の段差を踏んだときに大きく沈み込むようなら、純正リアショック(社外品で1.5〜2.5万円、工賃込み3万円台)の交換を前提に値引き交渉した方がよいでしょう。
2023年以降モデル(型式 8BJ-KF47)の特徴
ここで重要なのは、型式が「2BK」から「8BJ」に変わっている点です。2023年1月のマイナーチェンジで令和2年排出ガス規制に適合し、認証区分が変わりました。実走時のフィーリングは初期型と大きく変わらないものの、車検証や登録書類で型式を確認しないと、保険会社の型式別車両料率や下取り査定で扱いが違ってきます。
2025年2月のマイナーチェンジでは、シート表皮の質感とカラーラインアップが更新され、ライセンスランプのLED化など細部が改善されました。2023〜2025年式の中古は本体34〜40万円・支払総額40〜46万円が中心で、初期型より3〜5万円高いものの、残存保証や規制適合のメリットを考えると、長く乗るなら8BJ-KF47を選んだほうが無理がありません。
年式選びで失敗しない判断基準
意外と見落とされがちなのが、「年式」ではなく「登録日」と「走行距離」で見るほうが正確だという点です。新車登録から長期在庫だった個体や、ナンバー登録なしで店頭展示されていた個体は、年式が新しくても初回車検まで残り時間が短いケースがあります。残存保証や次回車検までの期間は、車検証の登録日からカウントするため、購入前に必ず確認してください。
判断基準は3つに絞ると迷いません。
- 支払総額40万円台前半におさまるか
- 走行距離が8,000km以下か
- 型式8BJ-KF47かどうか
3条件を満たす個体は2026年4月時点でも継続的に出回っており、月10〜15台ペースで在庫が入れ替わっています。すべて妥協できないと感じる場合は、新車との差額が縮むため、新車注文に切り替えたほうが満足度が高い傾向があります。
「年式と走行距離だけで決めず、登録日と保証範囲まで読んでから契約するのが鉄則です」というアドバイスはベテランオーナーから繰り返し出てきます。書面に残らない口頭の説明は、後で確認のしようがないため、必ず見積書と保証書で内容を確かめてください。
PCX150中古との比較で迷ったときの選び方
PCX160とPCX150は、世代と排気量で性格が分かれます。中古市場では今もPCX150(KF30)が30万円前後で流通しており、価格だけ見ると魅力的です。違いを実用面で整理します。
パワーと装備の差はどこに出るか
「街乗りなら150で十分、ツーリングするなら160」という声をよく聞きますが、実際の差は数値以上にはっきりしています。PCX150(149cc・eSP)は最高出力14.2PS/13.6N・mに対し、PCX160(156.9cc・eSP+)は15.8PS/15.0N・m。出力差は1.6PS、トルク差は1.4N・mで、坂道や2人乗りでの加速余力に効いてきます。
装備面では、PCX160のリアブレーキがディスク化され、HSTC(トラクションコントロール)が標準装備されたのが大きな変化です。雨天時にリアタイヤが滑った経験のある人ほど、HSTCのありがたみを感じやすい装備です。一方で、PCX150でもフロントABS搭載モデルがあるため、安全装備が皆無というわけではありません。
燃費と維持費を年単位で見ると
データで見ると、燃費差は意外と効いてきます。WMTCモード値はPCX150が53.3km/L、PCX160が46.5km/Lで、その差は6.8km/L。年間1万km走る通勤ユースで試算すると、レギュラー170円/Lの前提で年間ガソリン代はPCX150が約3.2万円、PCX160が約3.6万円。差は4,000円程度で、月に直すと数百円のレンジに収まります。
税金は両車とも軽自動車税2,400円で同額ですが、自賠責保険は同区分です。任意保険は車種コードが異なるため、見積もりで2,000〜5,000円の差が出ることがあります。年単位の維持費差は1万円弱と考えると、燃費だけを理由にPCX150を選ぶ意味はそれほど大きくありません。
150を選ぶ人・160を選ぶ人
体格と用途の場合と、保管環境の場合で、最適解は変わります。PCX150を選んだほうがよいのは、(1)125cc以下区画の駐輪場を職場や自宅で使う、(2)走行距離が年5,000km以下で街乗り中心、(3)中古予算を25万円台に抑えたい、という条件にあてはまる人。PCX160を選ぶべきは、(1)2人乗りや高速道路(料金所での区分は除く)を視野に入れる、(2)2023年以降の規制適合と最新装備を重視する、(3)5年以上乗って下取り価値を残したい、という人です。
あなたの場合はどうでしょうか。週末ツーリングと通勤を兼ねるなら160、駐輪場と短距離移動が中心なら150。一方で、現行は160のみ生産されているため、長く部品供給を受けたいなら、たとえ街乗りメインでも160を選ぶ判断は十分合理的です。
状態を見極める現車チェックの優先順位

中古バイクは現車の状態が9割を決めます。PCX160で確認すべきポイントを、優先度の高い順に紹介します。
リアショックとサスペンションの確認
まずやるべきことは、リアショックの沈み込みチェックです。PCX160の純正リアショックは、走行1.3万km前後でへたりやすい傾向があり、サスペンションのストロークが短くなるとシート下に振動がダイレクトに伝わります。確認方法は2つ。1つ目は車両を停めた状態でシート後方に体重をかけ、ゆっくり離したときに1〜2回でぴたりと止まるか。2つ目は試乗で段差を踏み、後輪が「コツン」ではなく「ガツン」と突き上げる感覚があるかです。
純正リアショックの片側交換は社外品で1.5〜2.5万円、工賃込みで3万円弱。両側交換でも5万円程度に収まるため、価格交渉のカードに使えます。ただし、リアショック以外のフレーム・アンダーボーンに損傷がある場合は修理費が読めず、購入そのものを見送ったほうがよいケースもあります。
外装・シート・タイヤの劣化
最初に確認すべきは外装と接地パーツです。PCX160は前後フェンダー・サイドカウルが樹脂製で、転倒歴があると擦り傷だけでなく、フェンダーの取り付けツメが折れていることがあります。サイドカバーをやさしく押して、ガタつきや浮きがないか確認してください。シート表皮は2023年以降のモデルからブラックに変わったため、年式判別の目印にもなります。表皮の縫い目に裂けがある個体は屋外保管が長く、内部スポンジが劣化している可能性があります。
タイヤは溝の深さよりも製造年週(タイヤサイドのDOT表記)で判断します。製造から5年以上経っているタイヤは、溝が残っていてもゴムが硬化しグリップが落ちます。前後タイヤとも製造から3年以内・残溝50%以上が望ましい状態です。たとえばDOT「3522」と刻印されていれば2022年35週製造の意味で、2026年現在で約4年経過。次の車検までに交換が必要になる前提で、見積もりに2.5〜3万円を含めて考えましょう。
試乗で必ず確認したいポイント
実際にやってみるとわかるのですが、停車中のチェックでは見つからない不調が試乗では一発で出ます。走行20km/h程度で軽くブレーキをかけ、左右のディスクから「シャー」という連続音がしないか、レバー入力に対して制動が片効きしていないかを確認します。続いて30〜40km/hで一定速走行に入り、メーターパネルの警告灯(HSTC・FI・ABS)が消えているかを目視。最後に40km/h前後から軽くアクセルオフし、エンジンブレーキの効きとハンドルの直進性を確認します。
試乗を断られる店舗の場合は、エンジンを始動させてもらい、3分以上アイドリング状態で振動・異音・冷却ファン作動の確認だけは必須です。マフラーの白煙や青煙、エンジン下のオイル漏れもこの時間で気づけます。試乗ができるかは店舗によって対応が分かれるため、見学予約のタイミングで確認しておくと当日の判断がスムーズです。
| 項目 | 2BK-KF47(2021〜2022) | 8BJ-KF47(2023〜2024) | 8BJ-KF47後期(2025〜) |
|---|---|---|---|
| 排ガス規制 | 平成28年規制 | 令和2年規制 | 令和2年規制 |
| シート表皮 | ブラウン基調 | ブラック | ブラック(質感更新) |
| 新車時メーカー保証 | 登録から24か月 | 登録から24か月 | 登録から24か月 |
| 中古本体価格の目安 | 30〜36万円 | 34〜40万円 | 38〜44万円 |
| 狙いどころ | 価格優先・短期保有 | 装備と価格のバランス | 長期保有・規制余力 |
中古PCX160を買って後悔しないための実践ガイド

典型例で見る「満足ケース」と「後悔ケース」
満足ケースで多いのは、走行5,000km・支払総額42万円・保証6か月の8BJ-KF47を選び、納車後すぐにエンジンオイルとブレーキフルードを交換、ホンダドリーム店で初回点検を受けた30代男性のような事例です。3年経って2.5万km走った段階でも下取りが18万円つき、月コスト6,500円で収まっています。一方で後悔ケースの代表は、走行1.5万km・支払総額33万円の2BK-KF47を遠方店舗からネット購入し、納車後にリアショックと前後タイヤを5万円で交換、結局2年で売却して下取り10万円という流れです。
「価格だけで判断するのは危険」と多くのオーナーが口を揃えます。本体5万円の差は、消耗品の更新タイミング次第で簡単にひっくり返るからです。中古バイクは「買うとき」より「売るとき・乗り続けるとき」のコストで損得が決まります。
購入先の選び方と保証で見るべきポイント
購入店の選び方ひとつで、納車後の安心感は大きく変わります。大手チェーン・個人店・ネット購入のそれぞれにある得失を整理します。
大手チェーンと個人店の違い
ポイントは、対応の標準化と整備の柔軟性のどちらを取るかです。バイク王・バイク館SOX・レッドバロンなど大手チェーンは、店舗ごとの整備基準と保証規定がそろっていて、転居先でも保証移管がしやすいメリットがあります。アプリやLINEでの予約もしやすく、初回点検の予約待ちが短いという声も多めです。
個人店は、店主の経験値とPCXシリーズの整備実績次第で当たり外れが大きい一方、過去オーナーの履歴をていねいに教えてくれるケースが多く、納車整備の内容も柔軟に調整してくれます。たとえば「リアショックを社外品に交換しておきたい」「タイヤだけ別ブランドに替えたい」といった相談は、個人店のほうが通りやすい傾向があります。初めてのバイクなら大手、こだわりがあるなら個人店というおおまかな線引きで考えると外しにくいでしょう。
保証期間と保証範囲の確認方法
ここで重要なのは、保証期間より「保証範囲」を読むことです。中古バイクの保証は最大6か月または6,000kmが主流ですが、対象部品が「エンジン本体・トランスミッション」のみのケースと、「電装・足回り・冷却系まで含む」ケースで実質的な価値が大きく違います。書面で「対象部品リスト」と「対象外項目」を必ず確認してください。
具体的には、リアショック・ベアリング・スクリーン・ライト類・スイッチ類が対象に含まれるか、不具合発生時の自己負担(出張費・代車費)がいくらかをチェックします。一方で、保証期間が3か月でも対象範囲が広い店と、12か月でも消耗品扱いが厳しい店があり、年単位の安心感は前者のほうが高いことがあります。保証書に「消耗品は対象外」と書かれていても、何が消耗品扱いなのかは店舗ごとに違うため、購入前に書面で取り交わすのが安全です。
ネット購入の注意点と納車前確認
よくある誤解として、「ネットの写真と説明文があれば現車確認は不要」という思い込みがあります。実際は、写真では分からないステップフロアの傷、シート下のサビ、ハンドルロック周辺のガタ、走行中の異音などが、ネット購入後に発覚するケースが少なくありません。ネット購入は便利な一方、納車後の「思っていたのと違う」を完全には防げません。
対策は3つあります。1つ目は、追加料金を払ってでも写真を10枚以上追加で送ってもらう。2つ目は、ビデオ通話でエンジン始動と試走の様子を見せてもらう。3つ目は、納車時の引き渡し前に「30分以内に試乗して問題があればキャンセル可能か」を契約条件に入れること。3番目は店舗ごとに対応が分かれますが、確認しておくだけで納車後のトラブルを大きく減らせます。
PCX160中古に向いている人・向かない人
用途と体格、保管環境によって、PCX160が活きる場面ははっきり分かれます。具体的なケースで判断軸を示します。
通勤メインで使う人の判断基準
片道10kmの場合と片道25kmの場合で、PCX160中古の納得度はずいぶん変わります。片道10km以下の通勤なら、PCX150や125ccモデルでも要件を満たすことが多く、PCX160のメリットが活きにくい場面があります。一方、片道15km以上で郊外や幹線道路を走る通勤なら、PCX160の余裕あるトルクと前後ディスクブレーキの安心感が日常のストレスを減らしてくれます。
通勤用途で確認したいのは駐輪場の制限です。職場の駐輪場が125cc以下限定の場合、PCX160は駐輪不可になります。事前に管理規約を読み、必要なら近隣の月極駐輪場(月3,000〜6,000円)を確保できるか調べてから購入してください。後から「駐輪場が借りられない」となると、せっかくの中古車が無駄になります。
ツーリング・高速利用が多い人の判断基準
意外と見落とされがちなのが、PCX160は「高速で長距離は得意ではない」という事実です。最高速は実用域で90km/h前後、80km/hを超えると風圧と振動が増し、巡航は70〜80km/hに収めるほうが疲れません。片道50kmを超える高速ツーリングを月2回以上想定するなら、ADV160(同じKF47系のアドベンチャースタイル)や、250cc以上の軽二輪を視野に入れたほうが満足度は高くなります。
ただし、ツーリングが下道メインで月1回100km程度なら、PCX160の燃費(実走43〜48km/L)と航続距離(給油1回で約350km)は十分なアドバンテージです。シート下30Lにヘルメットと雨具が収まるため、出先での荷物管理もしやすい構造になっています。一方で、タンデムでの高速利用は、車重・サスペンション容量の関係でおすすめできません。
身長・経験から見る向き不向き
結論から言うと、シート高764mmを「不安なく扱えるか」が境界線です。身長160cm以下の場合、両足とも踵が浮く傾向があり、信号待ちや傾斜のある駐車場で支える力が必要になります。バイク経験5年以上で取り回しに慣れている人は問題ない範囲ですが、初バイクで身長150cm台だと、ローダウンシート(社外で1.5〜2.5万円)の追加を前提に考えたほうが安全です。
身長170cm以上であれば、ポジションは標準的で違和感なく扱えます。一方で、長距離ツーリングを重視する身長180cm以上の体格では、膝周りの余裕が少ないため、フロアステップ前方を使うリラックス姿勢が取りやすいかを試乗で確認してください。経験値の面では、原付二種からのステップアップ・大型二輪からのダウンサイジング、いずれの方向でもPCX160は扱いやすい部類のスクーターです。
中古購入後にやるべき初期メンテと費用感

納車後の数か月は、消耗品の更新タイミングと保険手配が重なります。コストを取りこぼさず、後で困らない順序で進めるための要点を整理します。
納車後すぐ交換を検討すべき消耗品
まずやるべきは、エンジンオイル・ギアオイル・ブレーキフルードの状態確認と、必要に応じた交換です。中古車は前オーナーの整備履歴が読めないことが多く、納車整備として「点検のみ」で交換していない店舗も少なくありません。エンジンオイル交換は1L程度で工賃込み2,500〜3,500円、ギアオイル交換は1,500〜2,500円、ブレーキフルードは前後で4,000〜6,000円が目安です。
あわせてバッテリーの状態も確認しましょう。中古車のバッテリーは前オーナーの保管環境次第で寿命が大きく変わり、納車から半年以内にエンジン始動が弱くなるケースもあります。新品バッテリー(純正同等品で7,000〜10,000円)に交換しておけば、突発的な始動不良を防げます。タイヤがDOT表記で4年以上経過しているなら、車検に合わせず早めの交換が安全です。
任意保険と自賠責の手配タイミング
納車日に間に合うように手配してください。自賠責保険は車検証の有効期間とセットで切れ目なく必要なので、購入時に店舗で残月数を確認し、足りなければ24か月分(軽二輪で約9,000円)を継続契約します。任意保険は納車日の前日までにオンラインで申し込むか、保険代理店経由で当日付で開始できる契約を組みます。
具体的に確認したいのは、車両保険の付帯と等級の引き継ぎです。前車(自動車含む)からの等級引き継ぎは、保険会社が同じであれば手続きが速く、初年度から30〜40%の割引が乗ります。新規契約の場合、6S等級スタートで年間2.5〜4万円が目安ですが、対人対物無制限・人身傷害3,000万円・車両保険なしの最小構成なら、年間1.5〜2万円台に収まる場合もあります。
1〜2年後の維持費見積もり
データで見ると、PCX160の年間維持費は、走行5,000kmの想定で7〜10万円のレンジに収まる人が多いです。内訳は、軽自動車税2,400円、自賠責保険7,070円(24か月分の年換算)、任意保険2〜3万円、ガソリン代1.8〜2万円、定期点検・オイル交換1〜1.5万円、消耗品(タイヤ・バッテリー按分)1〜1.5万円。これに任意の用品(スマホホルダー・ETC・USB電源など)が初年度のみ1〜3万円ほど加わります。
2年目以降は初回車検が登場します。軽二輪のため車検は不要(250cc超のみ車検対象)ですが、24か月点検の費用相場は1.5〜2.5万円で、ベルト・プーリー・タイヤなどの交換が重なると3〜5万円に達することもあります。中古購入から2年目に消耗品の山が来やすいので、月1万円の積立を続けておくと、突発的な出費にも対応できます。
トラブルが起きたときの対処と相談先
中古バイクは新車と違って、納車後にトラブルが出る可能性をゼロにできません。保証で対応できる範囲・自費修理の相場・売却に切り替える判断軸を整理します。
購入店保証で対応できる範囲
「保証期間内なら何でも直してもらえる」という声をよく聞きますが、実際の保証範囲は契約書で細かく決まっています。一般的にカバーされるのは、エンジン本体(シリンダー・ピストン・クランクシャフト)、トランスミッション(CVT・ベルト・プーリーは消耗品扱いの店も)、デフ周り、電装系(メインハーネス・スイッチ・ECU)。一方、消耗品扱いの部品(タイヤ・ブレーキパッド・バッテリー・電球・ヒューズ)や、転倒・自損での損傷は対象外です。
不具合に気づいたら、まず購入店に連絡し、症状を文章と動画で共有してください。電話よりLINEやメールで「いつ・どこで・どういう症状が出たか」を残しておくと、後で対応の経緯を確認しやすくなります。出張修理の可否や代車の有無も、最初の連絡で確認しておきましょう。
保証外修理の費用相場
実際にやってみるとわかるのですが、保証外の修理は思った以上に金額が積み上がります。代表的な修理費の目安は、リアショック交換(純正同等で工賃込み3〜5万円)、フロントフォークオイル交換(1.5〜2.5万円)、CVTベルト・プーリー交換(2.5〜4万円)、バッテリー交換(1〜1.5万円)、外装パネル1枚交換(純正で1〜3万円)。これらが複数同時に必要になると、10万円超の出費になることもあります。
修理を依頼する際は、購入店以外の整備工場で見積もりを取るのも有効です。同じ作業でも工賃が2〜3割違うことがあり、特にホンダドリーム店は技術料が高めの一方、純正部品の在庫が早い特徴があります。一般工場は社外品の選択肢が広く、コストを抑えやすいのが利点です。費用と納期を比較して、納得できる方を選んでください。
売却に切り替える判断ライン
修理見積もりが車両時価を超える場合、売却に切り替えるのが合理的です。目安は「修理費が買取相場の50%超」「同じ症状が3か月以内に再発」「フレーム・サブフレームに損傷あり」の3つ。1つでも該当すれば、別個体への乗り換えを検討してください。
売却ルートは、購入店下取り・買取専門店・個人売買の3つ。修理予定の不具合があるまま下取りに出すと申告漏れ扱いで査定が下がるため、修理して売るか「現状渡し」と明記して個人売買します。整備記録簿と修理伝票が残っていれば、買取査定で5,000〜2万円上乗せされる傾向があります。
次にやること(最短ルート)
- 2026年4月時点の中古相場を、グーバイク・ウェビックバイク選び・バイク館SOXの3サイトで比較し、支払総額40〜45万円・走行8,000km以下・8BJ-KF47の絞り込みで在庫数を把握する
- 気になる個体を3台ピックアップし、見積書(本体・諸費用・保証範囲)の取得を依頼する
- 店舗予約をして現車確認と試乗を行い、リアショック・タイヤDOT・外装ガタ・電装警告灯の4点をその場でチェックする
- 納車前に任意保険を申し込み、納車日から空白期間が出ないようにする
現地チェック(1分版)
- シート後方に体重をかけてリアショックの戻りが1〜2回でぴたりと止まるか
- タイヤ側面のDOT表記が3年以内、残溝50%以上か
- サイドカウル・前後フェンダーにガタや浮きがないか
- イグニッションONで警告灯(HSTC・FI・ABS)がエンジン始動後に消灯するか
- 車検証の登録日と型式(8BJ-KF47か2BK-KF47か)が見積書と一致するか

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