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SHOEI Z-7 内装の外し方手順|頬パッド・センターパッドを完全分解

SHOEI Z-7 ヘルメットの全体像と内装パーツ配置

SHOEI Z-7 を1〜5年使い込み、内装の汗汚れやヘタリで「そろそろ外して洗いたい」と考えているライダー向けの完全手順ガイドです。Z-7 は2020年10月で受注生産が終了したモデルですが、頬パッド・センターパッド・チンカーテンなどの内装パーツは2025年3月の新価格改定後も継続供給されており、自分で外して洗うか丸ごと交換する選択肢が残っています。本記事では、5パーツを破損させずに外す順序と、布ではなくプラスチック部を持つコツ、トラブル時の回復策まで、写真がなくても手順をなぞれる粒度で解説します。

目次

SHOEI Z-7 内装を外す前に押さえる4原則

SHOEI Z-7 ヘルメットの全体像と内装パーツ配置図

結論から言うと、Z-7 の内装は「布ではなくプラスチック部を押す/引く」「後ろから前へ抜く」「順序はチンカーテンから」の3点を守れば破損ゼロで外せます。SHOEI 公式の補修パーツ販売ページ(SHOEI公式 Z-7 内装セット)でも、頬パッド・センターパッド・イヤーパッド・チンストラップカバーは脱着前提で単体販売されており、無理な力をかけずに外せる設計になっています。最初の30分でこの設計思想を理解しておくと、2回目以降は10分作業に短縮できます。

布の縫い目を引っ張らない、プラスチックの台座を押す——この1点だけでも頭に入れておくと、初回の破損リスクが大幅に下がります。

なぜ「布」を引っ張ると破損するのか

Z-7 の内装は、ウレタンフォーム+メッシュ生地+プラスチック台座の3層構造です。台座は帽体側のスナップやツメに噛み合わせる前提で設計されており、布が外れる方向に力がかからないと固定が解けません。

外す前のコツ

明るい机の上で作業し、ヘルメットの底面を上に向けて膝に乗せます。スマートフォンのライトで内側を照らし、プラスチック台座の位置を目視で確認してから指をかけると、布をつまむミスが激減します。

布を引いた瞬間に裂ける接合部の構造

センターパッド前縁とチークパッド上端の2か所は、布とプラ台座を縫い合わせた境界が露出しています。

vagmarken.net の取り付けレポートでは「センターパッド前部のプラスチック部と布の接合部は裂ける危険がある」と明記されており、ユーザーが最も破損させやすいポイントとして共有されています。布のメッシュ部分は2層に縫われていますが、ミシン目に対して垂直方向に強い力が入ると、糸が切れて裂け目になります。一度裂けると洗濯のたびに広がるので、補修よりも内装ごと交換する流れが早いです。

たとえばセンターパッドを外す際、頭頂部の布をつまんで真上に引くと、前縁の縫い目に約3kg以上の張力が一点集中します。代わりに、後頭部側のプラスチック台座を親指で押し上げて、ツメから1cmほど浮かせてから前にスライドさせると、張力は5方向に分散します。

無理に引っ張ったときの典型的な失敗例は、布が裂けて綿が出る、台座のツメ1本が折れて固定が緩む、スナップ受けが帽体内側のEPSに食い込む、の3パターンです。いずれも素人補修は難しく、内装セット買い直しになります。

SHOEI 公式マニュアルが警告する取扱い

SHOEI 公式の取扱説明書では、内装の脱着について明確な警告が記載されています。

公式 PDF(Z-7 取扱説明書)には「フックやギアが QR-E シールドベースには まっていないと、走行中にシールドが外れ、思わぬ事故を引き起こす可能性がある」と記載され、シールド側だけでなく内装側も同様に「正しく装着されていないと走行中の保護性能が落ちる」と注意喚起されています。マニュアルを一度読んでから作業すると、自己流で覚えるより圧倒的に早く理解できます。

意外と見落とされがちなのが、SHOEI 公式 YouTube に「Z-7 チークパッド脱着方法」「TYPE-E/TYPE-I センターパッド脱着方法」の3本がアップされている事実です。ヘルメット型番に対応する動画を選んで再生しながら手元で同じ動きを真似ると、説明書の図解より圧倒的に早く理解できます。

ただし古い動画は Z-6 や旧型基準で撮られているケースもあるので、再生前にタイトルとサムネイルで「Z-7」表記を必ず確認してください。Z-6 のチークパッドは Z-7 と互換性がなく、似たような動画でも手順が違います。

工具と作業環境の準備

Z-7 の内装脱着で必要な工具は、実はほぼゼロです。

準備物リスト

厚手のタオル1枚(机を傷つけない/ヘルメットを安定させる)、明るい照明またはスマホライト、爪先が薄いマイナスドライバー1本(任意・スナップが固いとき限定)、洗濯ネット2枚(外したパッドを仕分けて入れる用)。所要は初回30分前後、慣れれば10分です。

細マイナスドライバーは「最終手段」として用意

基本は素手で外せます。

ただし長期間外していない個体は、スナップ部分の樹脂が固着して指の力では浮かせにくくなります。先端幅3mm程度のマイナスドライバーを、スナップとEPSライナーの隙間にそっと差し込んでテコのように軽く起こすと、布を引っ張らずに台座だけ浮かせられます。差し込む角度は帽体の曲面に対して10〜15度、深さは2〜3mmで止めてください。深く差し込むと EPS(発泡スチロール)に傷が入り、衝撃吸収性能が落ちます。

たとえば3年使い込んだ個体では、後頭部のセンターパッド固定スナップが布製ベルクロのように張り付いていることがあります。このとき爪を立ててはがすと布が裂けるので、ドライバーで樹脂台座の角を1mm浮かせるだけで一気に剥離できます。

使い方を誤るリスクとして、EPS表面に傷を入れる、布を切る、樹脂台座にひびを入れるの3パターンがあります。怪しいと感じたら無理せず、内装セットの買い直し前提でショップ持ち込みに切り替える判断も持っておきましょう。

作業スペースは「明るい平面」が必須条件

暗い場所では作業しないでください。

Z-7 の内装ツメは帽体内側のEPSに掘られた溝に差し込まれており、外す際は溝の位置を目視で追います。蛍光灯の真下に厚手タオルを敷き、ヘルメット底面を上に向けて置く配置が見やすいです。床に直置きすると外したスナップ部品を排水口に落とす事故が起きます。

明るさの目安は500ルクス以上、作業面はA4用紙2枚分の60cm四方を確保してください。外したパッドを並べる横30cm×奥行20cmのスペースを別途用意しておくと、戻す段階で混乱しません。

所要時間と作業順序の全体像

外す順序は逆順では戻せません。先に全体像を頭に入れておくと迷子になりません。各パーツの固定が前後で連動しているため、順序厳守が破損ゼロの最大の鍵です。

  • 所要時間(初回):25〜35分/(2回目以降):10分前後
  • 外す順序:①チンカーテン → ②頬パッド(左右) → ③イヤーパッド(左右) → ④センターパッド → ⑤チンストラップカバー
  • 戻す順序は外した逆順
  • 左右の見分け:頬パッドは内側にL/R刻印、イヤーパッドはイヤーカップ形状の凹みが耳穴側
  • 洗う場合は外した直後に洗濯ネットに仕分けて投入、戻す前に陰干し24時間で完全乾燥

初回と2回目以降で時間が変わる理由

慣れの差というより、迷う時間の差です。

初回は「ツメの位置を探す→指の角度を試す→正解の方向を見つける」を5パーツ分繰り返すので、各パーツ5〜7分かかります。2回目以降は「ツメ位置を覚えている→最短ルートで指をかける」だけになり、各パーツ2分前後で終わります。3回目以降は実質的に作業時間より、洗濯ネットへの仕分けと再装着確認のほうが長くなります。

具体的には、初回30分の内訳は「チンカーテン2分、頬パッド左右で12分、イヤーパッド左右で6分、センターパッド7分、チンストラップカバー3分」が標準です。2回目以降は合計10〜12分に圧縮できます。

注意点として、初回でいきなり時短を狙うと布を引いて破損します。最初の1回は時間を惜しまず、写真を撮りながら戻す手順も記録しておくと安心です。

左右の判別ミスを防ぐコツ

頬パッドの左右を取り違えるとサイズ感が変わります。

外す前にスマホで左右の頬パッドを下から撮っておくと、戻す段階で迷いません。L/R刻印が読めない場合、耳前カーブが急なほうが前側、緩いほうが後側です。

互換性チェック表。

条件 対応
Z-7 純正交換 公式 parts_604.html で「Z-7用」確認
Z-8 内装の流用 不可(別設計)
X-Fourteen 流用 不可(ツメ位置違い)
ホールド調整 チークパッド31〜39mm 3段階
廃番確認 2025年3月価格で継続供給

5パーツ別・写真感覚で外す具体手順

SHOEI Z-7 内装パーツを5種類に分解した状態

ここからは、外す順番に沿って各パーツの手順を分解粒度で解説します。SHOEI公式 YouTube の動画と並走させると、文字+動画で理解度が二重化されます。

「センターパッド前部のプラスチック部と布の接合部は裂ける危険があるため、必ずプラスチックを掴むこと。」

(出典: 夢幻泡影 SHOEI「Z-7」内装の取り付け(取り外し)

1. チンカーテン(最初に外す理由+手順)

チンカーテンとは、あごの下に垂れる風防の布パーツです。

これを最初に外す理由は、頬パッド固定の最前部にチンカーテンの差し込みツメが噛んでいるためです。順序を逆にすると頬パッドを引いた拍子にチンカーテンを破く事故が起きます。手順は、ヘルメットを上下逆にしてあご側を上に向け、チンカーテン中央のプラスチック差し込み板を親指と人差し指でつまみ、帽体側の溝から手前にまっすぐ引き抜くだけです。所要は1〜2分。

差し込み板の固さ別の対処

新品から1年以内なら、力をほぼ入れずに抜けます。

ただし2年以上経過した個体は、差し込み板と帽体側溝の間に汚れが固着して抜けにくくなります。このときは、差し込み板を左右にゆっくり10度ずつ捻りながら手前に引くと、汚れの噛みが解けます。捻る角度は片側15度を超えないでください。プラスチックが疲労破損します。

たとえば3年使った個体では、差し込み板の樹脂が黄ばみ、溝側のシリコンが乾燥していました。シリコンスプレーは絶対に使わないでください(EPSと反応してライナーを溶かすことがあります)。

失敗例として、差し込み板を片側だけ引いて引きちぎった、捻りすぎて板が割れた、布の縫い目から繊維が出た、の3パターンが報告されています。いずれもチンカーテン単体(実勢価格1,000〜2,000円)の交換になります。

チンカーテンを外す前のシールド開閉

シールドは全開にしておくと作業しやすいです。

シールドが下りているとヘルメットを逆さにしたとき机に当たり、コーティングが擦れます。Z-7 のシールド開度は4段階。最大開度(全開)にしてから作業台に置いてください。半開のままだと3分作業で線傷が1〜2本入ります。

意外と見落とされがちなのが、シールドではなくサンバイザー位置の確認です。Z-7 はインナーバイザー非搭載モデルなので関係ありませんが、Z-7 II(インナーバイザー搭載)と混同しないよう注意してください。手元の個体がどちらかは、左こめかみに小さなレバーがあるかで判別できます。

2. 頬パッド(緊急時赤タブと通常脱着の使い分け)

頬パッドは左右計2個、3点スナップ固定です。後ろ→前→上の順でスナップを外し、最後に布部分をあご紐から抜きます。所要は片側3〜4分。

赤タブ(E.Q.R.S.)に触れない

頬パッド裏に赤いタブが付いていますが、これは事故時の救助用 Emergency Quick Release System(緊急離脱機構)です。日常メンテで引くと再装着に専用工具が必要になり、自己責任での復旧は困難です。通常の脱着は3点スナップから行ってください。

3点スナップの外し方の順序

順序は後ろ→前→上で固定です。

逆にすると、最後に外すスナップに2点分の張力が集中して台座が割れます。後ろのスナップは指で押し上げ、前は親指でテコのように起こし、上は最後に布部分を軽く持ち上げるだけで自然に外れます。3点とも「カチッ」という音がしたら成功です。

たとえば左頬パッドの場合、左手でヘルメット底面を支え、右手親指を頬パッドの後端裏に差し込みます。親指の腹でスナップ台座を10度ほど起こすと、後ろのスナップが外れます。次に親指を前にスライドさせて同じ動きを繰り返します。

失敗例で多いのは、上のスナップから外そうとして布を引き、台座と布の縫い目を裂くケースです。上から外すと残り2点に力が集中し、3点固定の設計意図が機能しません。

あご紐との抜き方

頬パッド本体が外れたら、あご紐から布を抜く工程が残ります。

あご紐は布の中を通っているので、頬パッド外周の布をめくって、あご紐をスライドさせるように抜き取ります。布の端には小さなマジックテープが付いており、これを剥がすと内部の通し穴が露出します。あご紐の Dリング側(バックル側)は引き抜けないので、もう片側から布を抜く方向だけが正解です。

具体的には、左頬パッドならあご紐の左側端から布を抜きます。右頬パッドは右側端から。逆方向に引くと、あご紐が頬パッド内部のリブに引っかかって抜けません。

注意点として、あご紐自体は外さないでください。Dリングの取り付けは精密で、外すとSGマークの安全規格に影響します。あくまで頬パッドの布だけを抜き取る作業です。

3. イヤーパッド(C型ツメの引き出し方)

イヤーパッドは左右で計2個。耳の上に配置される薄いパッドです。

固定は2点ツメ(フック)方式で、上ツメと下ツメの2か所を順に引き出します。手順は、頬パッドを外した後、イヤーパッドの下端を指でつまみ(やはり布ではなくプラ台座を狙う)、下ツメを手前に引いて外し、続けて上ツメを引き抜きます。所要は片側2〜3分です。

下ツメから外す理由

上ツメから外すと、下ツメが帽体側のEPS溝に引っかかって抜けません。

2りんかん公式ブログの解説でも「2箇所のツマミ(取り外しは容易)」と紹介されていますが、容易なのは順序を守ったときだけです。下→上の順を間違えると、上ツメに片方向の張力がかかってツメ折れの原因になります。下ツメは手前(顔側)、上ツメは奥(後頭部側)なので、自然な手の動きとしても下から先に外すほうが楽です。

たとえば右イヤーパッドの場合、右手の人差し指をパッド下端に引っかけ、手前に1cm引き出すと下ツメが外れます。続けて指を上にスライドさせ、同じ動きで上ツメを抜きます。

失敗例として、上ツメから外そうとしてツメが折れた、両方同時に引いて布が破れた、引き抜き角度が浅くて布だけ伸びた、の3パターンが報告されています。下→上の順序厳守でほぼ防げます。

イヤーパッドの後ろにセンターパッドが噛んでいる

意外と見落とされがちなのが、イヤーパッド上端とセンターパッド側面の重なりです。

Z-7 の設計では、イヤーパッド上ツメの真上にセンターパッドの側端が被さっています。イヤーパッドを抜くときに上ツメをセンターパッドの下から引き出す動きになるので、センターパッドを少しめくり上げるとスムーズに外れます。ただしセンターパッドはまだ固定したままで、めくり上げるだけです(先に外さない)。

具体的には、左手でセンターパッドの側端を5mmほど浮かせ、右手でイヤーパッドの上ツメを引き抜く、という2手分業がおすすめです。1人作業ですが、左右の手の役割を分けると安定します。

注意点として、センターパッドを浮かせすぎるとセンターパッド自体のツメが先に外れて、両方が同時にバラけます。浮かせるのは5〜10mmまでに抑えてください。

4. センターパッド(ツメ位置と引っ張る方向の角度)

センターパッドは頭頂部の大型パッドで、Z-7 内装の中で最も慎重さが必要なパーツです。

固定は前縁の差し込みベルト+後頭部側の2点フックの3点支持。手順は、頬パッド・イヤーパッドを外した状態で、後頭部側のフックを下から押し上げて2点とも外し、続けて前縁の差し込みベルトを後ろにスライドさせて溝から抜き取ります。所要は5〜7分です。

引っ張る方向の角度

センターパッドを外すときの引き方向は「後頭部側に45度上向き」です。真上に引くと前縁の差し込みベルトに張力が集中し、布と台座の接合部が裂けます。後ろ斜め上に引くことで、前縁ベルトが溝から自然にスライドします。

後頭部側フックの外し方

後頭部側のフックは2点で、左右に1つずつあります。

結論から言うと、左右同時に外すのではなく、片側ずつ外してください。両側同時に押し上げると前縁ベルトに張力がかかり続けて、布の接合部が伸びます。片側を外すと残り1点で支持されるので、もう片側に力をかけずに外せます。

たとえば右側のフックを先に外す場合、右手親指でフック台座を下から押し上げ、5mmほど浮かせます。フックがEPSの溝から外れた感触があったら、左側に移ります。左側も同じ動きで外し、最後に前縁ベルトを後ろにスライドさせます。

失敗例として、両側同時に押し上げて前縁ベルトを引きちぎった、片側だけ強く引いてフック台座を割った、後頭部側のEPSに爪を立てて傷を入れた、の3パターンが報告されています。慎重さが報われるパーツです。

前縁ベルトのスライド方向

前縁の差し込みベルトは、帽体側の溝に5mmほど挿入されています。

後頭部側のフックを2点とも外したら、センターパッド全体を持ち上げるのではなく、後ろにスライドさせるのが正解です。スライド距離は1cm程度で十分で、それ以上引くと前縁ベルトの布が溝の角で擦れて毛羽立ちます。スライドして浮いたら、上方向に静かに持ち上げて完了です。

具体的には、両手でセンターパッドの側面(左右の縁)を持ち、後頭部側にゆっくり引きます。手のひらで布を押さえつけないでください。布が伸びてヘタリの原因になります。

注意点として、センターパッドの裏側にウレタンフォームが露出している場合があります。これは経年劣化でメッシュ生地が摩耗した状態で、洗濯前に内装ごと交換を検討する目安です。SHOEI公式の TYPE-E センターパッド単体は2025年3月の新価格で継続販売中です。

5. チンストラップカバー(最後に残す理由)

チンストラップカバーは、あご紐の左右を覆う細い布パーツです。

これを最後に外す理由は、頬パッドを抜く際にあご紐をスムーズに通すための「ガイド」として機能するためです。手順は、頬パッド・センターパッドが全て外れた状態で、チンストラップカバー両端のスナップ(左右計2点)を外し、あご紐から布を引き抜きます。所要は2〜3分です。

2点スナップの位置

スナップは Dリングのすぐ近くと、頬パッドが付いていた台座近くの2か所です。

Dリング側のスナップは隠れていることが多いので、布をめくって台座を露出させてから外します。頬パッド側のスナップは、頬パッド本体を外した跡の台座に付いており、これも布をめくって確認できます。両方とも親指の押し上げで外せます。

たとえば右側のチンストラップカバーなら、Dリング近くのスナップを先に外し、頬パッド台座近くのスナップを後で外します。逆順でも問題ありませんが、Dリング側を後にするとあご紐が動きやすくなって、最後のスナップを押す際に手元が安定しません。

失敗例として、布だけを引いてスナップが残った、Dリングのバックルを誤って動かした、あご紐の縫い目を擦った、の3パターンが報告されています。最後のパーツなので、雑になりやすい点に注意してください。

あご紐から布を抜く向き

布はDリング側からは抜けないので、頬パッド側から抜きます。

あご紐の Dリングは輪っか状で、布の通し穴より広いため、Dリング側に布を引いても引っかかります。頬パッド側(バックルなし側)から布をスライドさせて抜くのが唯一の正解です。

具体的には、左手でDリングを軽く支え、右手で布を頬パッド側にゆっくり引きます。スライド距離は10cm程度で、引き終わったら布全体が抜けます。

注意点として、抜いた後のあご紐はDリング以外何も付いていない状態になります。安全規格に影響はありませんが、外したチンストラップカバー単体(実勢価格1,000円前後)を洗濯ネットに入れて他パーツと一緒に洗ってください。

トラブル別の回復策(ツメ破損・布裂け・スナップ硬い)

慎重に作業しても、長期使用の個体ではトラブルが起きます。

トラブル発生時の判断基準

修理可能か買い直しかの目安は、「布が裂けた→交換」「ツメが折れた→交換」「スナップが硬いだけ→継続使用可」です。Z-7 の内装パーツは2025年3月3日の新価格で継続供給されており、SHOEI公式または正規ディーラーから単体購入できます。

ツメが折れたときの対処

ツメが折れたパーツは継続使用できません。

結論から言うと、該当パーツを単体購入して交換します。Z-7 のチークパッドは XS〜XXL の6サイズ展開で、厚さ31〜39mmから「ゆるめ/標準/きつめ」を選べます。元のサイズを meta タグや購入時のレシートで確認してから注文してください。サイズを誤ると締め付けが変わって長時間ツーリングで頭痛が出ます。

たとえばMサイズの標準を使っていた場合、交換時もMサイズの標準を選びます。ヘルメット本体のサイズと内装パッドのサイズは別管理なので、Z-7 本体がMでも内装パッドだけLサイズに変えると緩くなります。

失敗例として、サイズを変えて緩くなった、別モデル用(Z-8用など)を誤購入した、廃番在庫を高値で掴んだ、の3パターンが報告されています。SHOEI公式 parts_604.html で「Z-7用」表記を必ず確認してください。

布が裂けたときの判断

布の裂けは縫い目より布地のほうが広がりやすいです。

1cm未満の小さな裂けなら、洗濯ネットに入れて洗えば実用上問題ありません。ただし2cm以上の裂けや、縫い目から綿(ウレタン)が露出している場合は、洗濯のたびに広がるので交換推奨です。Z-7 内装は布だけ補修するパーツ販売がなく、パッド単位での買い直しになります。

具体的には、頬パッド単体の実勢価格は左右セットで5,000〜7,000円、センターパッド単体で3,000〜4,000円、イヤーパッドCで1,500円前後(2025年3月新価格基準)です。全部同時に交換すると1万円超ですが、「裂けたパッドだけ交換」で済ませる選択肢もあります。

注意点として、ヤフオク・メルカリの中古内装は衛生面でリスクがあります。汗・皮脂・カビ・場合によってはダニまで含まれるので、SHOEI公式または正規ディーラー経由が確実です。

スナップが硬くて外れないときの最終手段

素手で外せないスナップは、細マイナスドライバーで起こします。

先端幅3mm程度のドライバーを、スナップ台座と帽体側EPSの隙間に深さ2〜3mmだけ差し込み、テコのように10〜15度起こします。スナップが浮いた感触があったらドライバーを抜き、続きは指で外します。差し込み深さを4mm以上にするとEPSに傷が入るので注意してください。

具体的には、ドライバーをスナップに対して斜め45度で差し込み、起こす方向はヘルメットの内側に向けます。外側に起こすとEPSが削れます。

失敗例として、深く差し込んでEPSを削った、力を入れすぎてスナップ台座を割った、ドライバーが滑って布を切った、の3パターンが報告されています。あくまで「最終手段」として位置づけ、素手で外せる個体ならドライバーは使わないでください。

実装チェックリスト(外す前と外した後)

作業前後で確認すべきポイントです。

外す前の確認は、作業環境の明るさ、シールドが全開、左右パッドの撮影、所要時間(初回30分)の確保、洗濯ネット2枚の準備の5点。揃っていないと作業中に中断して再開する手間が増えます。外した後の確認は、5パーツが全て揃っているか、スナップ・ツメに破損がないか、布の裂けや綿露出がないか、L/R判別が付いているか、の4点。通過したら洗濯ネットに仕分けて洗う工程に進めます。

次にやること(最短ルート)

ここまでの手順で5パーツが手元に揃ったら、洗濯と再装着のフェーズに進みます。Z-7 の内装は丸1日のメンテ枠を確保するのが理想です。陰干し24時間が乾燥の目安で、それより短いと内部のウレタンに湿気が残ったまま再装着することになり、結果として臭い戻りやカビの原因になります。

洗濯と再装着の段取り

洗濯のタイミングは梅雨入り前の5月、夏のツーリングシーズン後の9月、冬眠前の11月の年3回が標準リズムです。汗の付着量が多いライダーは夏期のみ月1回追加してもOK。洗剤は中性洗剤(エマールやアクロンが定番)、漂白剤と柔軟剤は不可です。

  • 外した5パーツを洗濯ネットに仕分け(左頬+左イヤー/右頬+右イヤー/センター単体/チンカーテン+ストラップカバー)
  • 中性洗剤を薄めた30度のぬるま湯で押し洗い、または洗濯機の弱水流コース(1回30分以内)
  • 陰干し24時間以上、直射日光と乾燥機は使用しない(接着剤が劣化)
  • 戻すときは外した逆順(チンストラップカバー→センターパッド→イヤーパッド→頬パッド→チンカーテン)
  • 戻したら鏡で左右対称を確認、装着して10秒以内に違和感がないかチェック
  • 布の裂けやツメ破損は SHOEI公式 parts_604.html で「Z-7用」パーツを単体購入

Z-7 本体は2020年10月受注生産終了ですが、内装パーツは2025年3月新価格で継続供給中。Z-8 への買い替えを検討中なら、Z-7 内装の継続供給状況も判断材料に入れてください。バイク用品レビューの関連記事もあわせて参考にしてください。

洗濯後の再装着で確認する3点

戻し終わったあと、装着前に必ず3点だけ確認してください。1点目はチンストラップカバーの噛み込みで、Dリングの根元に布が入り込んでいるとあご紐ロックの作動角がずれます。2点目はセンターパッドの前縁で、帽体側の溝にしっかり差し込まれているか指で押して確認します。3点目はチークパッドの上スナップで、3点のうち1つでも外れていると走行中にホールドが緩んで頭が浮きます。3点とも問題なければ、装着して鏡で左右対称を最終チェックしてメンテ完了です。

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