「ばくおん!!」で主人公・佐倉羽音をバイクの世界へ引きずり込んだ来夢先輩。素顔不明・無言・常時シンプソンのフルフェイスという謎キャラですが、ファンならまず気になるのが「あの先輩は結局どのバイクに乗っているのか」です。本記事はこれからバイク免許を取る人、購入を検討中の人に向けて、来夢先輩の登場車種を実車スペック付きで整理し、なぜ全車カワサキなのかというメタ構造、そして2026年の今から実車で狙うならどれが現実的かまで一気に解説します。
この記事の早見ボックス
- 主力: カワサキ Ninja ZX-12R(1,188cc/178PS/大型二輪)
- 過去の愛車: 500SSマッハⅢ・GPZ250R・エプシロン250
- 共通点: 4台すべてカワサキ製。1969→1985→2000とカワサキ高速史の節目を網羅
- 記事の核: 4車種は「走るカワサキ高速史アーカイブ」として組まれている
- 実車で乗るなら: 大型二輪免許+中古状態の見極めが必須
来夢先輩が乗る代表4車種を実車スペックで整理する
来夢先輩は作中で複数のバイクに乗り換えていますが、その全てがカワサキ製で固められています。ここでは現在の主力1台+過去の3台を、実車スペックの一次情報と照合しながら整理します。主な出典はバイクマン(bikeman.jp)とpixiv百科事典、そしてバイクのニュースです。この記事を読む価値は「ファン考察」と「実車選び」を1本でつなぐところにあります。
結論先出し: 4車種はカワサキ高速史の節目を年代順に並べた「走るアーカイブ」
来夢先輩のバイク選びは単なるカワサキ偏愛ではなく、マッハⅢ(1969年・世界最速加速)→GPZ250R(1985年・35色展開)→Ninja ZX-12R(2000年・300km/h設計)という、カワサキが世界最速の称号を更新してきた節目をほぼ年代順に並べたラインナップになっています。エプシロン250はスズキ・ジェンマ250のOEMという作中メタジョーク枠です。
「無言の覆面キャラがバイク車種そのもので語る」という演出意図を読み解くと、ばくおん!! の見方が変わります。
主力 Ninja ZX-12R は「ハヤブサ対抗」のフラッグシップ
Ninja ZX-12Rは2000年に登場した、スズキ・ハヤブサとの最高速300km/h維持競争を意識して開発されたカワサキの量産フラッグシップです。1,188ccの水冷4ストローク並列4気筒で178PSを発生し、車重210kgというサイズ感は今の基準でも重量級。劇中で羽音を後ろに乗せた状態で309km/hに到達するシーンは、設計コンセプトを踏まえると物理的にはギリギリ説得力がある描写です。カワサキ公式の歴代Ninja系譜でも最強クラスの位置づけで、後にZX-14R/ZZR1400へと系譜が続きます。
免許要件は大型二輪。1,188ccという排気量は「車検あり・自動車重量税あり」の世界で、維持費は中型250クラスの2倍程度を見ておく必要があります。来夢先輩がこの1台を主力に据えているのは、作中で「世界最速級カワサキの現役代表」を1人で背負っているからだと読めます。
ZX-12Rの設計コンセプトとして、フレームは航空機由来のモノコック構造を採用し、空力性能はカワサキ重工の航空機部門の知見を投入して開発されました。最高速300km/h維持を達成するには空気抵抗との戦いが避けられず、ZX-12Rは前面投影面積を極限まで絞り込んだカウルで応えています。この「カワサキ重工=航空機由来」という設計背景は、来夢先輩というキャラの謎めいた覆面感とも妙に符合しており、車種選びの裏設定として読むと面白い1台です。実走では電子制御アシストが現代車ほど整っていないため、扱うには相応の経験が必要なマシンでもあります。
市場での位置づけとして、ZX-12Rはハヤブサとの最高速競争が国際的な批判を呼んだ結果、2000年代初頭に日本のメーカー間で「最高速300km/h上限」の自主規制が敷かれる引き金になった1台でもあります。つまりカワサキの最速史の最後の地点を象徴するマシンで、これ以降は数値的な最速競争ではなく総合性能の競争にシフトしていきます。来夢先輩がこの1台を主力に据えている設定は、「カワサキ最速の最終形を背負う覆面ライダー」という解釈と整合します。
500SSマッハⅢは「世界最速加速」を作ったカワサキの伝説
500SSマッハⅢは1969年発売、空冷2ストローク並列3気筒498ccで60PSを発生する2スト時代の象徴的モデルです。当時の0-400m加速は12.4秒で、これは発売時点での量産二輪世界最速記録でした。来夢先輩が「20年前の愛車」として乗っている描写があり、マッハ乗り(タンクに腹ばいになる前傾姿勢)を見せて後輩から「古い」と指摘されるシーンが作中で度々登場します。
2スト3気筒という設計はピーキーな出力特性で知られ、現代の感覚では「乗りこなせる人だけが乗る」マシンです。実車を2026年に手に入れるのは旧車市場でしか不可能で、メンテナンスは2スト整備に強い専門ショップが必須になります。来夢先輩の作中ラインナップでこの1台が押さえられていることが、「カワサキ高速史アーカイブ」という読み解きの起点になります。
マッハⅢが当時革新的だったのは、500ccという中排気量で1,000ccクラスに肉迫する加速性能を実現した点です。これは2ストロークの瞬発力と3気筒という独特の振動特性が生んだ結果で、後のカワサキ高速史の起点とも言える1台でした。来夢先輩がこの1台を「20年前の愛車」として持ち出してくることは、彼女のバイク歴が「カワサキ最速の歴史と並走している」ことを示唆する重要な設定です。マッハⅢの走行音は3気筒特有のサウンドで、ばくおん!! 的にも「音で語るバイク」という作品テーマと完璧に噛み合います。
マッハⅢは別名「H1」とも呼ばれ、当時アメリカ市場での販売が中心でした。北米のドラッグレースカルチャーに刺さる加速特性で、カワサキの北米進出の起爆剤になったマシンです。日本国内では「マッハ乗り」と呼ばれるタンクに腹ばいになる前傾姿勢が一種のファッションとして広まり、これは現代のスーパースポーツの伏線とも言えます。来夢先輩がマッハⅢに乗るシーンで「マッハ乗り」を披露しているのは、こうした半世紀の歴史を1コマで再演している瞬間でもあります。
GPZ250Rは「35色全部買い」エピソードの実車的根拠

GPZ250Rは1985年発売、水冷4ストローク並列2気筒248ccで43PSを発生する250ccフルカウルスポーツです。当時の250クラスとしては車重138kgと軽量で、KAWASAKIの250cc市場参入の重要モデルでした。実車では車体色とシート色の組み合わせで多色展開されたカラバリが特徴で、来夢先輩がカラー35色を競馬の払戻金で全色揃えたという作中エピソードは、この実車事実をベースに膨らませた設定です。
2026年現在、GPZ250Rの中古は流通量が少なく、年式40年近い旧車枠です。実車で同じ気分を味わいたい場合は後継のZXR250やZZR250、現行のNinja 250系列が現実的な代替候補になります。来夢先輩のラインナップで250ccスポーツ枠を埋めているのがこの1台、という構図です。
GPZ250Rの歴史的意義として、カワサキは1980年代に250ccクラスで激しい多色展開戦略を取り、若年層ライダーの取り込みを狙いました。当時の販売記録によれば総生産は2,000台規模とされ、現存個体は希少です。来夢先輩の「35色全部揃えた」エピソードは、現実には数年単位のコレクション活動が必要なレベルで、ばくおん!! 的な誇張表現として機能しています。みんカラの実車レビューでも、GPZ250Rの希少カラーは「数年探してようやく1台」というオーナーの声が確認できます。
250ccクラスは2026年現在でも初心者の登竜門で、車検不要・任意保険ファミバイ特約対応など維持費メリットがあります。来夢先輩の車種選びを「中型からのステップアップ」という現実視点で読み直すと、GPZ250R=250ccスポーツ入門→Ninja ZX-12R=大型フラッグシップという初心者ロードマップとも解釈でき、実は教育的なラインナップにも見えてきます。来夢先輩のラインナップは「いきなり大型に行くな」「250で基礎を作れ」というメッセージとしても読めるわけです。
カワサキの250cc戦略全体としては、GPZ250R(1985)→ZXR250(1989)→ZZR250(1990)→ZX-25R(2020)という系譜でフルカウルスポーツのDNAを継いでいます。来夢先輩が乗るGPZ250Rはこの系譜の起点に位置するモデルで、現代の入門ライダーが「来夢先輩リスペクトのカワサキ250ccに乗りたい」と考えるなら、Ninja ZX-25Rが最も近い感触の現行モデルになります。
エプシロン250は文化祭レースの「OEMメタネタ」枠
エプシロン250は1990年代後半から2000年代にかけてカワサキが販売した250ccスクーターで、実は中身はスズキ・ジェンマ250のOEMモデルです。作中では文化祭のレース大会で支給スクーターとして登場し、無言の来夢先輩がスクーター運転で他キャラを翻弄するシーンに使われています。
「カワサキ縛り」のはずの来夢先輩に「中身スズキのカワサキスクーター」を当てるあたりに、ばくおん!! 特有のメタジョーク感が出ています。実車の中古は希少ですが、現行の250ccスクーター枠で同じ気分を味わうなら、ホンダ・フォルツァやヤマハ公式のXMAXが候補です。
エプシロン250はOEM車という性質上、カワサキ販売店でもスズキの整備マニュアルを参照する必要があり、現役オーナーからは「故障時にどっちのディーラーで診てもらえばいいか分からない」という声も挙がっていました。来夢先輩がこの1台を文化祭の支給バイクとして与えられるのは、「カワサキ縛りキャラに敢えてOEM車を当てる」というばくおん!! の構造遊びで、原作・アニメ視聴者の中でもネタ話として語り継がれている1台です。スクーターという機能性と、メーカー縛りキャラというフィクション設定の衝突を1台で表現したエピソードと言えます。
| 車種 | 発売年・排気量 | 主要スペック | 劇中での扱い |
|---|---|---|---|
| Kawasaki Ninja ZX-12R | 2000年・1,188cc | 178PS/210kg/大型二輪 | 主力。第1話で羽音同乗309km/h |
| Kawasaki 500SS マッハⅢ | 1969年・498cc | 60PS/202kg/2スト3気筒 | 20年前の愛車。世界最速加速の象徴 |
| Kawasaki GPZ250R | 1985年・248cc | 43PS/138kg/水冷2気筒 | カラー35色全色コレクション |
| Kawasaki エプシロン250 | 2000年代・250cc | スクーター/スズキOEM | 文化祭レースで支給 |
4車種は実車の年代を並べると「カワサキ高速史」になる
マッハⅢ(1969)→GPZ250R(1985)→Ninja ZX-12R(2000)と並べると、カワサキが世界最速級の称号を更新してきた節目がほぼ年代順に並びます。GPZ250Rは厳密には「最速」ではありませんが、1985年当時のカワサキ250cc市場参入を象徴する1台で、これを挟むことでカワサキ史が空白なく繋がるラインナップになっています。エプシロン250はメタ枠としてラインナップに彩りを加える役割。来夢先輩のバイク選びは「個人の好み」ではなく「カワサキ史を語らせるための車種選び」と読むのが、この記事の中核的な視点です。
競合記事の多くはスペック列挙で止まりますが、4車種を「年代を読む」視点で並べ直すと、ばくおん!! が単にバイクをかっこよく描いているだけの作品ではないことが見えてきます。これが本記事の最大の差別化軸です。
カワサキの高速史を時代背景込みで補足すると、1969年のマッハⅢ登場時は日本のメーカーが欧米市場に本格参入する時期で、その後Z1(1972年)が世界市場で大型スポーツの定石を作ります。1985年のGPZ250Rは250ccクラスのバブル期の象徴で、当時のカワサキ250cc戦略の中心モデル。2000年のNinja ZX-12Rはハヤブサとの最高速戦争を経て、その後の自主規制(300km/h上限)の引き金にもなったマシンです。この3台が並んでいるラインナップは、偶然ではなく明確な年代設計と読めます。
こうした「年代を読む視点」を持つと、ばくおん!! の他のキャラがどんな車種を選んでいるか、その選択がどんな個性を語っているかも一段深く読めるようになります。例えば羽音のセロー225は1980-90年代のオフロード市場を、凜のYZF-R1Mは2010年代以降のスーパースポーツ最前線を背負っており、各キャラごとに別の時代の物語が車種に宿っているという見方ができるはずです。
カワサキはマッハⅢで世界最速の称号を取りに行き、Z1、ニンジャ系へと系譜を繋いできた。ZX-12Rはその「世界最速」競争の到達点の1つに位置づけられる。(バイクマンの解説記事より要約)
なぜ全車カワサキ?ライム=ライムグリーンに込められたメタ構造と実車選びへの応用
来夢先輩の車種選びは偶然のカワサキ偏愛ではなく、キャラ設定そのものに「カワサキ縛り」が織り込まれています。ここでは設定面の根拠と、その読み解きを実車選びにどう活かせるかを整理します。記事の核となるのはここで、競合記事の多くがスペック列挙で止まる中、4車種が並ぶ意味を読み解くと作品の見方が変わります。
この章で押さえるポイント
- 本名「川崎来夢」とニックネーム「ライム」はカワサキ前提のキャラ設定
- モチーフは英BBC『Top Gear』の覆面ドライバー・スティグ
- 無言キャラが「車種そのもので語る」演出として車種選びが機能している
- 他キャラ車(羽音セロー225、凜YZF-R1Mなど)と並べると来夢車だけ性質が違うことが見える
名前の「川崎来夢」とライムグリーンの符号

本名の仮の苗字「川崎」はメーカーへの愛から友人たづ子が命名した設定で、ニックネーム「ライム」もカワサキのコーポレートカラー、ライムグリーンに由来します。つまりキャラの呼称レベルで既にカワサキ縛りが宣言されており、登場車種が全てカワサキになるのは設定の必然です。pixiv百科事典でも繰り返し触れられている設定構造です。
名前と色とメーカーが三位一体で結びついているキャラは、ばくおん!! 内でも来夢先輩だけ。羽音や凜は乗っているバイクメーカーを名前に反映していません。来夢先輩が「カワサキの擬人化」と呼ばれる所以はここにあります。
カワサキのライムグリーン(ライムグリーン1号)は1969年のロードレース活動から本格的に採用された色で、それ以降カワサキ=ライムグリーンというブランド認知が固まっていきます。来夢先輩のニックネーム「ライム」が単なる果物の名前ではなく、半世紀以上にわたるカワサキのレース文化を背負った呼称であることを踏まえると、キャラの重みが変わってきます。「ピンクのリボン付きシンプソン」というヘルメットも、ライムグリーンに対するコントラスト色として機能しており、視覚デザイン的にも計算された組み合わせです。
このように、来夢先輩というキャラは「名前・色・ヘルメット・乗るバイク」のすべてがカワサキというメーカーに紐づいて設計されています。バイク漫画のキャラ造形としてはかなり徹底した部類で、ばくおん!! が「車種で語る作品」と評される理由の中心にこのキャラが据えられているのも納得できる構造です。
補足として、ばくおん!! 作中ではカワサキ車に乗る他キャラは登場しても、来夢先輩ほどカワサキへの執着を「キャラ造形そのもの」として徹底した存在はいません。例えばカワサキエストレヤやKLX系の単発カワサキ登場はありますが、それらは「キャラがたまたまカワサキを選んだ」という扱いに留まります。来夢先輩だけが「最初からカワサキを背負って描かれた」キャラで、これは作品全体のメーカー描写の中でも特殊なポジションです。
モチーフは英BBC「Top Gear」のスティグ
常時着用するシンプソンのフルフェイス、白いレーシングスーツ、そしてセリフを一切発しない設定は、英BBCの自動車番組『Top Gear』に登場する覆面テストドライバー・スティグへのオマージュです。スティグ自身も素顔不明・無言・卓越した運転技術というキャラで、来夢先輩との符号は明確です。バイクは「車種=歴史マイルストーン」で語らせ、本人は無言で運転する、という演出統一がこのキャラを成立させています。
ばくおん!! は「バイクの音と車種そのものに語らせる作品」と言われますが、来夢先輩はその思想を最も純度高く体現するキャラ。セリフがないからこそ車種選びの意図が前景化し、読者は車種から人物像を逆算することになります。
Top Gear のスティグは「The Stig」という匿名で出演し続け、番組内では一切話さず、正体は番組制作上の最大の秘密として扱われていました。来夢先輩のセリフ無し設定はこのスティグの番組内ポジションを忠実にトレースしており、白いレーシングスーツ・常時ヘルメット・卓越した運転技術という3要素も完全に一致します。バイク漫画でここまで欧州自動車番組のキャラ造形をオマージュした例は珍しく、ばくおん!! のメタフィクション度の高さを象徴するキャラとも言えます。
Top Gear は2002年から再スタートした英BBCの自動車番組で、ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの3MCに加えて、覆面ドライバー・スティグがテスト走行を担当するという構成でした。スティグの正体は番組史上たびたび話題になり、初代スティグ(ペリー・マッキンレー、後に書籍で正体公表)、ホワイトスティグ(ベン・コリンズ)と入れ替わりがあったことも知られています。来夢先輩はこの「スティグ」という英国エンタメ史の象徴的キャラを日本のバイク漫画文脈に翻案した存在で、海外のモータースポーツ文化に親しんだ読者ほど来夢先輩のキャラ造形の元ネタに気付くという構造になっています。
4車種は「カワサキ高速史」を年代順に並べたアーカイブ
マッハⅢ(1969)→GPZ250R(1985)→Ninja ZX-12R(2000)と並べると、カワサキが世界最速級の称号を更新してきた節目がほぼ年代順に並びます。来夢先輩の車種ラインナップは、ファン心をくすぐる選定ではなく、カワサキの高速史をなぞる「走るアーカイブ」になっている、と読むと記事の見え方が変わります。これが他キャラ車との最大の違いです。
例えば羽音のヤマハ・セロー225は「初心者がトレッキングする日常車」、凜のヤマハYZF-R1Mは「現役プロスポーツ」、恩沢のスズキ・カタナは「個人のフェチ的選択」というように、いずれも「個人の生活や走りスタイル」を反映した選び方です。来夢先輩だけが「個人の好みを超えてメーカー史を背負う」車種選びをしており、これがキャラの特殊性を強化しています。
この「走るアーカイブ」という見立てを採用すると、来夢先輩のシーンを読み返したときの解像度が上がります。例えばマッハⅢに乗っているシーンは1969年のカワサキを召喚しているシーンとして、GPZ250Rの35色コレクション話は1985年のカワサキ250cc戦略を圧縮して語っているシーンとして、それぞれ作品内時間を超えた「メーカー史の代弁」が行われているわけです。
来夢先輩が一切セリフを発しない設定とも整合します。本人が話さない代わりに、その時々で乗っているカワサキ車そのものが「私はカワサキの○○年の節目を背負っている」と無言で語る、という構造になっているのです。これがばくおん!! 内のキャラの中でも、車種選びがキャラの本質と最も深く結びついているケースだと言える根拠です。
原作者・おりもとみまな氏のカワサキ偏愛は作中の細部にも現れており、来夢先輩以外にもカワサキ車の登場頻度はバランス的に多めです。とはいえメーカー縛りキャラとして造形されているのは来夢先輩だけで、ばくおん!! という作品全体のカワサキ表現を1人で象徴する役割を担っています。読者がこのキャラを「カワサキの守護神」のように受け止めているのは、作品内設定と実車史の重ね描きが成功している証拠と言えます。
実車選びへの応用: 「自分は何を背負って乗るか」を決める

このメタ構造を逆手に取って実車選びに応用するなら、「自分の名前・好きな色・好きなメーカーを統一する」という選び方が一つの正解になります。例えばカワサキ好きならニンジャ系で揃える、ホンダ好きならCB系で揃える、というのは見た目の統一感だけでなく「自分というライダーの一貫性」を作る手段です。
初心者ほど「人気車種だから」「とりあえず250から」と他人の基準で選びがちですが、来夢先輩の選び方を踏まえると「自分が何を背負って乗りたいか」を最初に決めたほうが長く乗れます。これは記事の核となる実車選びへの提言です。
例えば「自分の名前の一字とメーカーのイニシャルを揃える」「好きな色をメーカーカラーと一致させる」といった一見おふざけのような選び方も、長期的に見ればバイクを愛着で持ち続ける動機になります。来夢先輩というキャラは「カワサキ縛りで4台を集めた架空のライダー」ですが、現実の私たちも「自分の世界観でバイクを揃える」ことができるはずです。実用的な選び方とエモーショナルな選び方の両軸でバイクを選ぶ視点を持つと、初めての1台選びで後悔しにくくなります。
また、来夢先輩の4車種は時代を超えて「カワサキ高速史」を背負う組み合わせになっていますが、現実の私たちが同じことをするなら、無理に旧車を集めるのではなく、現行ラインナップから「フラッグシップ+スポーツ+日常乗り」のような役割分担で揃えるのが現実的です。Ninja ZX-25R+Ninja 1000SX+PCXのような組み合わせなら、維持費を抑えつつ来夢先輩的な世界観に近い「カワサキ年代別アーカイブの現代版」が組めます。
実車で乗るなら? 4車種の現実的な入手難度
「来夢先輩のバイクに憧れたから自分も…」という人向けに、2026年時点で実車を手に入れる現実度と免許要件を整理します。憧れだけで突っ込むと費用と希少性で詰まりやすいので、現実度を最初に把握しておくのが大切です。Ninja ZX-12Rは大型二輪免許必須で、中古は2025-2026年現在も流通はあるものの年式が古く整備状態に当たり外れがあります。GPZ250Rは1985年式という年代40年近いヴィンテージで、タマ数が少なく部品供給に難があります。500SSマッハⅢに至っては1969年式の旧車で、走らせるなら2スト整備に強いショップを確保するのが前提です。エプシロン250は中古市場にスクーターとして残っていますが、現役で買うなら現行のPCXやNMAXのほうが燃費・装備で有利です。
現代車での代替候補と選び方の指針
代替候補としては、Ninja ZX-12Rの後継的存在として現行Ninja H2 SXやNinja 1000SX、GPZ250Rの250cc4気筒スポーツの雰囲気を狙うならNinja ZX-25Rが挙げられます。マッハⅢの2スト感を現代で求めるのは事実上不可能ですが、軽快な3気筒という条件ならMT-09やトリプル系欧州車が候補です。エプシロン250的なスクーター枠は現行PCXやXMAXがほぼ完全に役割を引き継いでいます。バイク選びは「劇中でかっこよかった1台」ではなく「日常で維持できる1台」から逆算したほうが長く続けやすく、特に1台目は車検費用と部品供給の安心感を優先するのが基本戦略です。
注意点
劇中の最高速や0-400m加速は実車スペックを踏まえた数字ですが、公道での再現は不可能です。各車種の性能は「歴史マイルストーン」として理解する範囲にとどめ、実車を手に入れる場合は法定速度と整備状態を最優先してください。旧車枠(マッハⅢ・GPZ250R)は車検・部品調達・税制で現行車とは別世界の運用が必要になります。
初心者向けのワンポイント
来夢先輩の4車種を「ファン視点で全部欲しい」と思った場合、まずは大型二輪免許を取得しNinja ZX-12Rの中古から入るのが最も現実的です。マッハⅢやGPZ250Rは旧車整備の知識が前提になるので、2台目以降にステップアップする位置づけが安全です。
来夢先輩の車種選びから読み取れる4つのチェックポイント
ここまでで「来夢先輩=全車カワサキ」「4台はカワサキ高速史の節目」「キャラ造形はスティグオマージュ」「実車で狙うなら大型二輪と中古状態のチェックが必須」という4点が押さえられたはずです。Part Gで再整理しておくので、ばくおん!! を見直す前や中古バイク選びの初動でチェックリスト代わりに使ってください。来夢先輩の車種が並ぶ意味が見えると、ばくおん!! の他キャラのバイク選定意図も読み解きやすくなり、作品の見方が一段深くなります。さらに踏み込むなら、ばくおん!! の登場車種全体を網羅した解説記事と組み合わせて読むと、各キャラの設定とバイクの符号がより立体的に見えてきます。漫画作品としての奥行きを楽しみつつ、自分のバイク選びにも応用していくのが、この記事の使い方として最も効率が良い読み方です。
来夢先輩のバイクを楽しむ次の一歩
- 主力Ninja ZX-12Rは大型二輪必須・1,188cc・178PS。中古を狙うなら整備履歴とフレーム状態を最優先で確認
- GPZ250R・マッハⅢは旧車枠。実車を狙うなら旧車整備に強いショップの確保が前提
- 劇中の象徴的シーンを見返すなら、第1話の羽音同乗309km/hシーンと文化祭レース回(エプシロン250)が必修
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4車種をカワサキ高速史の節目として読み直すと、来夢先輩というキャラが「無言の覆面で車種そのものに語らせる」演出に統一されていることが見えてきます。

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