ツーリングから帰ると「今日どこ走ったっけ」と地図を思い出せず、せっかくの一本道を記録に残せなかった経験はありませんか。GPSロガーアプリを使えば走った軌跡が自動で残り、写真や給油記録までひもづけられます。この記事は軌跡を残したいライダー向けに、アプリ選びは機能の多さでなく「記録専用・ナビ兼用・車両管理一体」のどれが自分の目的かを最初に決めるだけでほぼ迷わなくなる、という選び方の軸からおすすめ7本を比較します。
ツーリング記録アプリは「目的の切り分け」で9割決まる

GPSロガーアプリ選びで最初にやるべきは、機能比較ではなく「自分が記録に何を求めるか」を1問だけ決めることです。記録専用で軌跡だけ残したいのか、ナビも一緒に使いたいのか、給油や整備まで車両ごと管理したいのか。この3択を決めるだけで、7本ある候補は実質2〜3本まで絞れます。
機能の多いアプリが正解ではなく、自分の目的に過不足のないアプリが正解です。
競合記事の多くは「おすすめ17選」とアプリを羅列しますが、ナビが主役のアプリと記録が主役のアプリを同じ土俵で並べるため、軌跡を残したいだけの読者がナビ比較を延々と読まされます。本記事は目的の切り分けを起点に、料金・記録項目・バッテリー・GPX出力の4軸で各アプリを評価します。
記録専用・ナビ兼用・車両管理一体の3タイプを見分ける
まず自分がどのタイプを欲しているかを、次の問いで判定してください。
公式情報
ホンダのバイクライフアプリHondaGO RIDEには「MYツーリング」機能があり、スマートフォンのGPSで走った道の軌跡をGoogleマップ上に自動で残せます(出典: HondaGO RIDE アプリ活用術)。記録専用タイプの代表例です。
記録専用タイプは「軌跡と写真だけ残したい人」向け
結論から言うと、ツーリングの思い出として走った道と立ち寄りスポットだけ残したい人は記録専用タイプを選んでください。代表はHondaGO RIDEの「MYツーリング」とGoogleマップのタイムラインです。
このタイプの強みは操作が単純なことです。HondaGO RIDEなら「REC」を押して「START」で記録開始、あとはスマホをポケットに入れて走るだけで軌跡・立ち寄りスポット・経過時間・走行距離が自動で残ります。
注意点は、給油や整備の管理機能を持たないことです。たとえば燃費を月単位で追いたい人には物足りず、後述の車両管理一体タイプを選ぶ必要があります。記録専用は「身軽さ」と引き換えに管理機能を捨てた構成だと理解しておきましょう。
ナビ兼用タイプは「道案内も記録も1本で済ませたい人」向け
道に迷わず走りたいうえに軌跡も残したいなら、ナビ兼用タイプが効率的です。NAVITIMEのツーリングサポーターやMOTTO GOがこれにあたります。
ツーリングサポーターは排気量別ルート検索や二輪料金表示などバイク専用機能を備え、走行ログも初期設定で自動取得されます。記録した軌跡をビデオ形式で振り返る機能や、他のライダーとルートを共有する「みんなのルート」も使えます。
弱点は設定項目の多さです。多機能ゆえに初心者には操作が複雑で、月額600〜1,000円とランニングコストもかかります。道案内をほぼ使わず軌跡だけ残したい人には、ナビ機能ぶんが過剰投資になりかねません。
「記録が目的」か「ナビも欲しい」かを最初の1問で振り分ける
3タイプの中でも特に迷いやすいのが、記録専用とナビ兼用の境界です。次の判定フローで自分の立ち位置を確かめてください。
普段からナビを使うかどうかで答えは変わる
判定の決め手は「ツーリング中にスマホのナビを実際に見るか」です。見るならナビ兼用、見ないなら記録専用に振り分けます。
意外と見落とされがちなのが、ナビ機能の有無で月額コストが大きく変わる点です。記録専用のHondaGO RIDEは無料、ナビ兼用のツーリングサポーターは月額600〜1,000円かかります。年間にすると7,200〜12,000円の差で、ナビを使わないなら払う必要のない費用です。
たとえば走り慣れた地元の峠や定番ルートばかり回る人は、ナビをほぼ起動しません。この場合は記録専用で十分です。一方で毎回初見の遠方ツーリングに出る人はナビ兼用が安心で、道案内と記録が1アプリで完結する手間の少なさが効いてきます。
判断に迷うなら、直近5回のツーリングでナビを開いた回数を思い出してください。2回以下なら記録専用、3回以上ならナビ兼用が、あなたの実際の使い方に合った選択です。
車両管理まで欲しいなら3つ目の選択肢になる
軌跡もナビも欲しい、さらに給油や整備の記録まで一元化したいなら、車両管理一体タイプのROADSTOCKが選択肢に入ります。
ROADSTOCKはGPS走行ログに加え、給油情報から燃費を自動計算し、整備・出費・写真をまとめて管理できます。車両を複数台登録でき、無償版でも最大5台まで対応します(出典: ROADSTOCK 公式)。
ただし車両管理一体タイプは入力の手間が増えます。給油のたびに金額や距離を記録する習慣がない人は機能を持て余すため、「記録を資産として積み上げたい人」向けと割り切るのが現実的です。なお3タイプは排他ではなく、軌跡はナビ兼用アプリ、給油だけROADSTOCKと併用するライダーもいます。まずは主目的を1つ決め、足りなければ2本目を足す順番が無理なく続きます。
料金で選ぶときに見るべき無料と有料の境界線

タイプが決まったら、次に効いてくる軸が料金です。無料で足りるのか、有料を払う価値があるのかを基準で判断します。
注意
「有料のほうが高機能だから安心」と月額プランに飛びつくと、ナビをほとんど使わないのに年1万円近く払い続ける事態になりがちです。料金は機能の多さでなく、自分が実際に使う機能に対して払う、という発想で選んでください。
無料で足りるのは軌跡を残すだけの使い方
軌跡と写真を残すだけなら、無料アプリで完結します。HondaGO RIDEはアプリ自体が無料、Googleマップのタイムラインも無料、ROADSTOCKも基本機能は無料で使えます。
無料で始める利点は、合わなければすぐ乗り換えられる身軽さです。最初から月額を払うと「元を取らねば」という心理が働き、使いにくくても惰性で続けてしまいます。まず無料枠で記録の習慣がつくか試すのが堅実です。
ただし無料版には広告表示が伴うことがあります。たとえばROADSTOCKは広告非表示に月額100円・年700円のサブスクが必要で、走行中に広告が気になるなら少額課金で解消できます。年700円なら缶コーヒー数本ぶんで、費用対効果は高い部類です。
有料を払う価値があるのはナビ精度を求める場合
道案内の質を重視するなら、有料プランに払う意味があります。ナビ兼用アプリの有料機能は、ルート探索の精度や音声案内の作り込みに直結するためです。
データで見ると、ツーリングサポーターは月額600〜1,000円、MOTTO GOは月額400円、Blucap Goは年額800円と幅があります。月額制のツーリングサポーターは年7,200〜12,000円に達するため、初見ルートを頻繁に走る人ほど投資が回収しやすくなります。
逆に走り慣れた道ばかりの人がナビ有料プランを契約すると、機能を使い切れず割高になります。よくある誤解として「高い=自分向き」と考えがちですが、ナビ使用頻度が低いなら無料の記録専用に戻したほうが満足度は上がります。
記録できる項目で選ぶと迷いが消える
料金と並んで判断材料になるのが、何を記録できるかです。残したい項目を先に決めると候補が一気に絞れます。代表的な記録項目は次の通りです。
- 走行軌跡・道路名・走行距離(ほぼ全アプリが対応)
- 立ち寄りスポットと写真のひもづけ(HondaGO RIDE・ROADSTOCK)
- 給油・燃費・整備・出費(ROADSTOCKなど車両管理一体型)
- 実走行時間・最高速度・最高標高(ROADSTOCK)
軌跡だけでよいなら多機能は不要
残したいのが走行軌跡だけなら、多機能アプリは選ばないでください。機能が多いほど画面が複雑になり、記録のたびに操作の手間が増えます。
たとえばHondaGO RIDEは軌跡・立ち寄りスポット・経過時間・走行距離に記録項目を絞っているため、迷う余地がありません。「REC」と「START」を押すだけで完結し、記録を始めるハードルが低いのが強みです。
一方で軌跡だけのアプリは、後から「給油記録も残したい」と思っても拡張できません。ただし最初から多機能を持つ必要はなく、必要になった時点で車両管理一体タイプへ移ればよいだけです。まずは身軽に始めるのが続けるコツです。
たとえば月に1〜2回のんびり走るだけなら、記録項目は軌跡と写真の2つで十分なことがほとんどです。項目を絞るほど記録のたびの操作が減り、結果として記録が長続きします。
給油や整備まで残すなら一体型が効率的
軌跡に加えて給油や整備の履歴も残したいなら、車両管理一体型が効率的です。記録が一か所にまとまり、燃費や費用の推移を後から振り返れます。
ROADSTOCKは給油情報から燃費を自動計算し、道路代・飲食費・宿泊費を費目別に集計できます。複数台のバイクを無償版でも最大5台まで個別管理できるため、複数所有のライダーにも向きます。実走行時間・最高速度・最高標高まで残るので、走りの記録としても読み応えがあります。
注意点は記録の手間が日常的に発生することです。給油のたびに金額と距離を入力する必要があり、面倒に感じる人は続きません。記録項目は多ければよいのではなく、自分が継続して入力できる範囲で選ぶのが、続けるための分かれ目です。
対応OSと操作性は事前に必ず確認する
料金や記録項目が合っていても、自分のスマホで動かなければ意味がありません。対応OSと操作性は導入前の最後の関門です。
iOS限定のアプリはAndroidユーザーには選べない
最初に自分のスマホがiOSかAndroidかを確認してください。対応OSを外すと、どれだけ評判が良くてもインストールできません。
たとえばBlucap GoはiOSのみの対応で、Androidユーザーは候補から外れます。一方でHondaGO RIDE・ツーリングサポーター・MOTTO GO・ROADSTOCKはiOSとAndroidの両方に対応しているため、機種を問わず選べます。
意外と見落とされがちなのが、家族や友人とアプリをそろえたい場合です。マスツーリングでルートを共有するなら、全員が同じアプリを使える両OS対応を選ぶと連携がスムーズに進みます。共有機能を使う予定があるなら、仲間の機種も先に確認しておきましょう。
操作が複雑なアプリは結局使わなくなる
多機能でも操作が複雑なアプリは、続かなければ意味がありません。記録は習慣化して初めて価値が出るため、操作の手軽さは軽視できない判断軸です。
ツーリングサポーターは機能が豊富な反面、設定項目が多く初心者には操作が難しめだという指摘があります。逆にHondaGO RIDEは「REC」と「START」の2操作で記録が始まり、迷う余地がありません。
結論から言うと、最初の1本は操作が単純なものを選ぶのが失敗しにくい選び方です。慣れてきて物足りなくなったら多機能アプリへ移ればよく、いきなり高機能を選んで使いこなせず放置するより、確実に記録が続きます。
| 観点 | HondaGO RIDE(記録専用) | ツーリングサポーター(ナビ兼用) | ROADSTOCK(車両管理一体) |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料版あり/月額600〜1,000円 | 基本無料/月額100円・年700円 |
| 記録できる項目 | 軌跡・立寄り・写真・距離 | 軌跡・ルート共有・ビデオ振り返り | 軌跡・給油・整備・出費・写真 |
| ナビ機能 | なし(記録特化) | あり(排気量別ルート等) | なし(記録特化) |
| GPXエクスポート | 非対応 | 限定的 | 対応 |
| 向いている人 | 無料で軌跡だけ残したい入門者 | 道案内と記録を1本で済ませたい人 | 給油・整備まで一元管理したい人 |
ツーリング記録アプリ&GPSロガーおすすめ7本を比較

ここからは目的別の3タイプを踏まえ、おすすめ7本を具体的に紹介します。料金・記録項目・弱点まで照らし合わせて、自分の1本を見つけてください。各アプリの強みと弱点を並べて読めば、自分の走り方に過不足のない選択肢が見えてきます。
ROADSTOCKのユーザーからは、ツーリングの軌跡管理や給油・メンテナンス記録の一元化など、バイクに関する情報を包括的に管理できる点が評価されています。
無料でここまでの機能が使えるのも大きな魅力だという声が多く挙がっています。
記録特化で選ぶ3本(HondaGO RIDE・ROADSTOCK・Googleマップ)

軌跡を残すことが主目的なら、まずこの3本を比較してください。
HondaGO RIDE「MYツーリング」は完全無料の入門枠
費用をかけずに軌跡を残したいなら、HondaGO RIDEの「MYツーリング」が最初の選択肢です。アプリは無料でダウンロードでき、ホンダ車以外のライダーでも使えます。
「REC」から「START」を押すと、走った道・立ち寄りスポット・経過時間・走行距離がGoogleマップ上に自動記録されます。カメラアイコンをタップすれば風景写真をGPS位置とひもづけて残せます。
注意したいのはバッテリー消費です。公式記事ではiPhone8(1821mAh)で3時間使用して約20%消費と報告されており、丸一日走るならモバイルバッテリーの携帯が推奨されています。休憩時は一時停止で電池を節約できる点は覚えておきましょう。
ROADSTOCKは記録を資産化できる管理特化型
記録を一度きりの思い出でなく資産として積み上げたいなら、ROADSTOCKが最有力です。走行ログに道路名・実走行時間・最高速度・最高標高まで記録します。
このアプリの核は管理機能の広さです。給油情報から燃費を自動計算し、道路代や飲食費・宿泊費を費目別に集計でき、整備履歴も残せます。記録はGPX形式で書き出せるため、後から動く地図付きの走行動画を作ったり、別アプリへ移行したりする出口も確保されています。
弱点は入力の手間です。給油や出費を都度記録する前提なので、ざっくり軌跡だけ欲しい人には機能過多になります。基本無料ですが、広告非表示や追加機能には月額100円・年700円のサブスクが必要です(出典: ROADSTOCK App Store)。
Googleマップのタイムラインはアプリを増やしたくない人の最低ライン
新しいアプリを入れたくないなら、Googleマップのタイムラインがロガー代わりになります。ロケーション履歴をオンにしておけば、移動した軌跡が日付ごとに自動で残ります。
最大の利点は完全無料で追加インストール不要なことです。すでに多くの人がスマホに入れているため、設定を一つ変えるだけで今日から記録を始められます。
ただしバイク専用機能はゼロで、軌跡の編集性も低い点は割り切りが必要です。給油や整備の管理はできず、立ち寄りスポットへの写真ひもづけも専用アプリほど直感的ではありません。あくまで「専用アプリを使うほどではない人」の最低ラインと考えてください。
ナビ兼用で選ぶ3本(ツーリングサポーター・MOTTO GO・Blucap Go)
道案内と記録を両立したいなら、この3本のナビ兼用アプリを比べます。
ツーリングサポーターはバイク専用ナビの定番
ナビ精度とバイク専用機能を重視するなら、NAVITIMEのツーリングサポーターが定番です。排気量別ルート検索、二輪料金表示、駐輪場検索、景観優先ルートなどバイク向け機能がそろいます。
走行ログは初期設定で自動取得され、後からオフにもできます。記録した軌跡をビデオ形式で振り返る機能や、他のライダーとルートを共有する「みんなのルート」も使えるため、記録の楽しみ方が広い構成です。
注意点はコストと設定の複雑さです。月額600〜1,000円かかり、設定項目が多く初心者には操作が難しめだという指摘があります。多機能を使いこなせる人ほど元が取れるアプリだといえます。
MOTTO GOはツーリングマップル由来のコース提案が強み
名所巡りや観光重視のツーリングなら、MOTTO GOが向いています。ツーリングマップル由来のコース提案を受けられ、走行履歴の保存と共有も可能です。
料金は無料版があり、有料は月額400円・年額4,000円とナビ兼用の中では手頃です。MOTTO GOボタンでスポットを手早く追加でき、見やすいナビ画面と丁寧な音声案内が評価されています。
一方で、音声案内が多すぎて調整が必要、スポット名称の検索が苦手といった弱点が挙がっています。データで見ると月額はツーリングサポーターの半額以下ですが、ナビの細かな作り込みでは一歩譲る場面があると理解しておきましょう。
Blucap GoはGoogleマップベースで操作しやすい
スポット検索のしやすさを優先するなら、Blucap Goが候補です。Googleマップベースのため目的地検索が直感的で、地図上でルートを確認しながら設定できます。
料金は無料版があり、有料は月額課金がなく年額800円(初回50%オフ)と割安です。走行ルートの履歴やログ保存に対応し、AIがルートを自動生成する「FUNルート」機能も備えます。
ただしナビ性能はGoogleマップ同等レベルにとどまり、日本語翻訳に違和感がある、AIの提案ルートが攻めすぎることがあるといった声があります。対応OSがiOSのみな点も、Androidユーザーには選べない理由になります。
専用GPSロガーという7本目の選択肢を検討する
アプリ6本に加え、スマホとは別の専用GPSロガーデバイスが7本目の選択肢になります。アプリで電池や精度に不満が出た人向けです。
専用GPSロガーが効くのは電池持ちと精度を最優先する場面
丸一日や連泊ツーリングで電池切れを避けたいなら、専用GPSロガーが現実解です。スマホのバッテリーを消費せず、GPS記録だけに専念するため動作が安定します。
専用機の利点はモーションセンサーで停止中に自動で電源を切り、電池を節約する設計にあります。IPX7級の防水で車体に固定でき、画面付きで操作しやすいモデルもあります。受信感度が高く、アプリより軌跡が安定しやすい点も実用的で、写真の位置情報と組み合わせて使う人もいます。
弱点は追加投資と機能の単純さです。本体価格が数千〜数万円かかり、給油や整備の管理機能は持ちません。たとえばトンネルやビル街では衛星電波が遮られて軌跡が乱れますが、これはスマホアプリと共通の弱点で、抜ければ自動復帰します。
丸一日ツーリングでスマホアプリの電池は持つのか
結論として、丸一日のツーリングでスマホアプリ単体に頼るのは電池の面で危険です。対策なしで走ると目的地で電池が尽きるおそれがあります。
データで見ると、HondaGO RIDE公式記事のiPhone8で3時間約20%消費という実測から逆算すれば、休憩を挟まず走り続けた場合15時間ほどで電池を使い切る計算です。実際にはナビや写真撮影も重なり消費はさらに速まります。
現実的な対策は2つです。一つはモバイルバッテリーを携帯して走行中に給電すること、もう一つが専用GPSロガーへの切り替えです。一概には言えませんが、ロングツーリングが多い人ほど専用機の電池持ちが効いてきます。
給電する場合は防水のUSBポートをハンドル周りに増設しておくと、雨天時の端子ショートを防げて安心です。電池対策は記録を最後まで残すための土台なので、面倒でも先に整えておきましょう。
記録の精度を左右する電波の弱点と対策

どのアプリやデバイスを選んでも、GPSには共通の弱点があります。仕組みを知っておくと軌跡の乱れに慌てずに済みます。
トンネルやビル街で軌跡が飛ぶのは避けられない
トンネルや高層ビルの谷間で軌跡が乱れても、故障ではありません。GPSは上空の衛星電波を受信して位置を測るため、電波が遮られる場所では一時的に測位できなくなります。
具体的には、トンネル内・屋根のある駐車場・密集した市街地・樹木に覆われた林道で軌跡が飛んだり直線で結ばれたりします。これはスマホアプリでも専用GPSロガーでも共通の現象で、開けた場所に出れば自動で復帰するので、慌てて記録を止める必要はありません。
対策としては、記録の正確さを重視するなら受信感度の高い専用機やマルチGNSS対応モデルを選ぶ方法があります。ただし高精度モードは電池消費が増えるため、精度と電池持ちはトレードオフだと理解しておきましょう。普段の思い出記録なら、多少の軌跡の飛びは気にしなくて構いません。
スマホの設定とホルダー位置でも精度は変わる
軌跡を安定させたいなら、スマホの置き方と設定を見直してください。受信状態は本体の向きや遮蔽物で意外と変わります。
たとえば金属製のトップケースやタンクバッグの奥にスマホを入れると、電波が遮られて測位が不安定になります。ハンドル上のホルダーなど空が見える位置に固定すると、軌跡の乱れが減ります。位置情報の精度設定を「高精度」にしておくのも有効です。
一方で高精度設定や常時画面オンは電池を多く消費します。よくある誤解として「精度を上げれば万能」と思いがちですが、丸一日走るなら精度と電池のバランスを取り、給電手段とセットで考えるのが現実的です。
たとえば日帰りの短距離なら高精度モードで軌跡をきれいに残し、連泊ツーリングでは標準精度に落として電池を温存する、と走行距離で切り替える運用が無理がありません。記録の目的に合わせて精度を選べば、どちらも犠牲にせず済みます。
後で動画化・乗り換えするならGPX出力で選ぶ
記録をその場で終わらせず再利用したいなら、GPX形式で書き出せるかを必ず確認してください。これが記録を「資産化」できるかの分かれ目です。
GPXがあれば走行動画や地図共有に展開できる
記録を後から活用したいなら、GPXエクスポートに対応したアプリを選んでください。GPXは走行軌跡の標準フォーマットで、対応していれば用途が一気に広がります。
たとえばGPXがあれば、アクションカメラの映像と軌跡を同期して動く地図付きの走行動画を作れます。別のアプリに乗り換えるときも記録を引き継げ、地図サービスで仲間と共有することも可能です。本記事の7本ではROADSTOCKがGPX出力に対応しています。
逆にGPXを書き出せないアプリは、記録がそのアプリの中に閉じ込められます。サービスが終了したり乗り換えたくなったりしたとき、せっかくの軌跡を取り出せないリスクがある点に注意してください。記録を将来も使うつもりなら、GPXで書き出せるかどうかは最後まで妥協しない一点です。
記録を「使う予定」がなければ軽さを優先してよい
一方で、軌跡を見返すだけでエクスポート予定がないなら、GPX対応にこだわる必要はありません。その場合は操作の手軽さを優先したほうが続きます。
補足すると、HondaGO RIDEやGoogleマップはGPX出力に強くありませんが、アプリ内で軌跡を眺めて思い出を振り返るぶんには十分です。多くのライダーは記録を動画化までせず、後から地図を見返して満足するため、まずは無料の軽いアプリで始めるのも合理的な選択です。実際、走った道をあとで地図で追うだけでも、ツーリングの記憶はぐっと鮮明によみがえります。
ただし途中で「動画を作りたい」と気が変わると、過去の記録を取り出せず作り直しになります。将来の可能性が少しでもあるなら、最初からGPX対応を選んでおくと後悔が減ります。たとえばツーリング歴が浅いうちは記録を眺めるだけで満足し、走り込むうちに動画化に興味が出る人もいます。一方で確実に見返すだけなら、身軽さを取って問題ありません。
アプリ導入前のチェックリスト
ここまでの選び方を、導入前に確認すべき項目としてまとめます。アプリをインストールする前にこの5点を自分の使い方と照らし合わせれば、入れ直しの手間を防げます。
まず目的が記録専用・ナビ兼用・車両管理一体のどれかを決め、次に料金が無料で足りるか有料が必要かを判断します。続いて残したい項目が軌跡だけか給油・整備まで含むかを整理し、丸一日走るなら電池対策の要否を確認します。
最後に将来GPXで書き出す可能性があるかを見ておけば、自分に合った1本がほぼ決まります。下のリストを上から順にたどってください。
導入前に次の順で確認すると、最短で自分に合うアプリにたどり着けます。
- 目的を1つ決める: 記録専用/ナビ兼用/車両管理一体のどれかを先に確定する
- 料金を確認する: 無料で足りるか、月額を払う価値があるかを判断する
- 記録項目を選ぶ: 軌跡だけでよいか、給油・整備まで残したいかを決める
- 電池対策を用意する: 丸一日走るならモバイルバッテリーか専用ロガーを準備する
- GPX出力を見ておく: 後で動画化・乗り換えするなら対応アプリを選ぶ
迷ったら、まず無料のHondaGO RIDEで軌跡を残す習慣をつけ、物足りなくなったらROADSTOCKやツーリングサポーターへ広げるのが失敗の少ない順序です。バイク用品やメンテナンス関連の記事もあわせて読むと、ツーリング装備の見直しに役立ちます。

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