「3輪は安定して良さそうだけど、トリシティ125を買って後悔しないか」が気になる人に向けた記事です。20〜40代でこれから原付二種を選ぶ層を想定しています。
結論から言うと、後悔する人の多くは車種の欠点に負けたのではなく、自分の使い方と「3輪の特性」のミスマッチに気づかず買っているだけです。本記事ではヤマハ公式スペックとオーナーの給油記録をもとに、重さ・価格・立ちゴケ・維持費というリアルなデメリットを数値で分解し、どんな人なら後悔しないかまで整理します。
トリシティ125で後悔・デメリットと言われるリアルな理由

後悔の正体は「車種の欠点」ではなく「用途とのミスマッチ」
トリシティ125のデメリットを並べた記事は多いのですが、欠点を羅列するだけでは「自分が後悔するかどうか」は判断できません。レビューを読み込むと、不満の大半は車種そのものの欠陥ではなく、使い方と3輪の特性が噛み合っていないことから生まれています。重さも車幅も、安定という長所と表裏一体だからです。
つまり後悔を避ける鍵は、欠点の有無ではなく、自分の走り方にこの特性が合うかを見極めることにあります。
トリシティ125の後悔ポイントは「重い・高い・立ちゴケする・維持費が割高」の4つに集約できます。ただしこれらはすべて、前2輪による走行安定性という最大の長所と引き換えに生じているものです。
重さ173kgは安定の代償であり、価格572,000円は3輪機構のコストであり、立ちゴケは3輪を自立装置と誤解したときに起きます。だから「欠点が許せるか」ではなく「この特性が自分の用途に効くか」で判断するのが、後悔しない一番の近道です。
後悔の多くは車種の欠陥ではなく、使い方と3輪特性のミスマッチから生まれます。
レビューの不満は用途依存のものが多い
意外と見落とされがちなのが、ネガティブなレビューの中身です。価格.comのオーナーレビューを読むと「駐輪場に入らない」「すり抜けがしにくい」「80km/h超で伸びない」といった声が並びますが、これらはいずれも特定の使い方をしたときに表面化する不満です。狭い駐輪場を使わない人や、すり抜けをしない走り方の人には、同じ車体でも欠点として現れません。
逆に言えば、自分の通勤路や保管環境を具体的に思い浮かべれば、その不満が自分にも当てはまるかどうかは事前に判定できます。後悔した人のレビューを「車種の評価」としてではなく「その人の使い方の記録」として読むと、参考になる情報と無関係な情報を切り分けられます。
デメリットの一覧をうのみにせず、自分の生活に翻訳して読むことが大切です。
安定という長所の裏側に欠点が並ぶ
トリシティ125の欠点は、ほぼすべてが前2輪という構造から派生しています。タイヤが1本増えるから維持費が上がり、機構が複雑だから車重が増し、前まわりが広いから車幅も広がります。これらを別々の欠点として数えると多く見えますが、根っこは「前2輪で安定を稼ぐ」という設計思想ひとつです。
この理解があると、デメリットの受け止め方が変わります。安定が欲しくて選ぶなら欠点は対価として納得でき、軽さや安さが欲しいなら最初から別の車種を選べばよい、という判断になるからです。トリシティの欠点は「直してほしい不具合」ではなく「設計上の割り切り」だと捉えると、購入判断がぶれません。
重さ173kgがもたらす取り回しの負担
データで見ると、トリシティ125のデメリットの中で最も実感されやすいのが車両重量です。2026年モデルの車両重量は173kgあり、同クラスの2輪スクーターと比べて頭ひとつ重い数字です。この重さは前2輪の機構を支えるためのもので、安定性という長所と引き換えに生じています。
走っているときは恩恵になり、止まっているときは負担になる、という二面性が重さの本質です。購入を考えるときは、自分が止まっている時間と動いている時間のどちらにストレスを感じやすいかをイメージすると、この重さが許容できるか判断しやすくなります。
PCX比で約40kg、初期型比で20kg以上重い
トリシティ125の173kgという数字は、ホンダPCX125の約132kgと比べて40kg前後重く、ヤマハ自身の初期型(約152kg)からも20kg以上増えています(出典: ヤマハ公式・バイクブロス)。年式を追うごとに装備が増えて重くなってきた経緯があり、最新型ほど安定する一方で取り回しの負担も大きくなっています。
走行中はこの重さが安定として働くため、走り出してしまえば重さはむしろ快適さに変わります。問題になるのは止まっているときです。
駐輪場での押し引き、車庫入れ、Uターンといった低速の取り回しでは、40kgの差がそのまま腕力の負担として効いてきます。体格や腕力に自信がない人ほど、この場面でストレスを感じやすくなります。
低速の取り回しで重さが集中する
重さが効くのは、ほぼ時速10km以下の領域です。前2輪ぶんの重量が車体前方に集まっているため、ハンドルを切った状態で押し引きすると、軽いスクーターとは違う独特の重さを感じます。坂のある駐輪場や、切り返しが必要な狭い保管場所では、この特性が毎日のストレスになりかねません。
対策としては、保管場所をできるだけ平らで広い区画にする、センタースタンドの掛け方を練習する、といった工夫で負担を減らせます。それでも軽さを最優先したい人には、トリシティの173kgは向きません。
試乗で必ず押し引きとUターンを体験し、自分の保管環境で扱えるかを確かめてから決めると後悔を避けられます。
3輪なのに立ちゴケする本当の理由

よくある誤解として「3輪なら停車中も倒れない」というものがありますが、これは事実ではありません。トリシティ125は3輪でも立ちゴケします。この勘違いが、購入後の後悔で最も大きな落とし穴になります。
前2輪は自立機構ではない
トリシティの前2輪は、コーナーで左右に傾くリーン機構です。走行中の安定性を高めるための仕組みであって、停車中に車体を直立させて保持するロック機能ではありません。信号待ちや駐車では、2輪スクーターと同じようにライダーが足を着いて車体を支える必要があります。ここを理解せずに「3輪だから足を着かなくていい」と思い込むと、停車の瞬間に支えきれずに倒します。
実際、価格.comのレビューでも、坂や傾斜のある駐車場で安定の錯覚から転倒したという報告が見られます。173kgの車体は一度バランスを崩すと支え直すのが難しく、立ちゴケすると外装の傷だけでなく前まわりの機構にもダメージが及びかねません。
3輪を過信しないことが、最初に守るべきポイントです。
よくある誤解
「3輪だから足を着かなくても自立する」は誤りです。トリシティの前2輪は走行中に車体を傾けるための機構で、停車中に直立させて保持する装置ではありません。信号待ちや駐車では2輪と同じく足で支える必要があり、傾斜地では普通に倒れます。この一点を勘違いしたまま納車されると、最初の数日で立ちゴケして外装を傷つけるという後悔につながります。
坂・砂利・傾斜での停車に注意
立ちゴケのリスクが高まるのは、平らでない場所での停車です。下り傾斜の駐車場、砂利の上、片足しか着けない狭い場所では、前2輪があっても車体は普通に倒れます。むしろ「3輪だから大丈夫」という油断があるぶん、2輪以上に気を抜きやすいという面もあります。
回避策はシンプルで、平坦な場所に停める、停車前に足着きの良い位置を選ぶ、傾斜地では両足を地面に着けて車体を支える、という基本の徹底です。短い停車でも気を抜かないことが立ちゴケの予防になります。
一部のモデルにはパーキングロック機構を備えるグレードもありますが、それでも過信は禁物です。3輪の安定はあくまで走行中の話だと割り切れば、立ちゴケによる後悔はかなり防げます。
車幅750mmが効くすり抜けと駐輪場
前2輪ぶんの車幅も、見落とされやすいデメリットです。トリシティ125の全幅は750mmあり、一般的な2輪スクーターより広く、これが市街地での使い勝手に影響します。重さや立ちゴケと違って試乗では気づきにくく、買って毎日使い始めてから「思ったより取り回しに気をつかう」と実感する人が多いのが車幅の特徴です。
とくに渋滞路の走り方と駐輪環境の2つに直結するため、自分の生活圏でこの2つがどうなっているかを先に確認しておくと、購入後のギャップを減らせます。数字としての750mmだけでなく、その750mmがどんな場面で効くのかをイメージしておくことが大切です。
渋滞路でのすり抜けがしにくい
車幅が広いぶん、渋滞時に車の間をすり抜ける走り方はしにくくなります。前2輪が左右に張り出しているため、2輪なら通れる隙間でもトリシティでは通れない場面が出てきます。すり抜けを前提に原付二種を選ぶ人にとっては、この点が大きな不満の種になります。
もっとも、すり抜け自体は接触や転倒のリスクを伴う走り方でもあり、安定性を重視するトリシティの設計思想とは本来相性が良くありません。渋滞をすり抜けで抜けたいのか、流れに乗って安定して走りたいのかで、向き不向きがはっきり分かれます。自分の通勤スタイルがどちらかを考えれば、車幅が許容できるかは判断できます。
狭い駐輪場・二輪枠に収まりにくい
車幅750mmは、駐輪環境にも影響します。月極の二輪駐輪場やコインパーキングの二輪枠は2輪スクーターを基準に区切られていることが多く、前2輪のトリシティだと隣とぶつかったり、枠からはみ出したりすることがあります。価格.comのレビューでも、駐輪場に停めにくいという声が複数挙がっています。
購入前に確認すべきは、自宅と職場の駐輪スペースに実車サイズが収まるかどうかです。全幅750mm・全長1995mmという数字を、実際に停める区画のサイズと突き合わせておきましょう。
ここを確認せずに買うと、毎日の駐輪でストレスを抱えることになり、これは車種を変えない限り解消できない後悔になります。
値上げ後の価格と維持費という現実
価格と維持費も、トリシティ125のデメリットを語るうえで避けて通れません。2026年モデルでの値上げにより、同クラスの2輪との価格差はさらに広がりました。
2026年モデルは572,000円に値上げ
2026年モデル(型式8BJ-SEL4J、2025年9月発売)のメーカー希望小売価格は572,000円(税込・本体520,000円)です(出典: ヤマハ公式)。2024年モデルの495,000円から約7.7万円の値上げで、フルカラーTFTメーターやUSB-C充電ポートなどの装備充実と引き換えに、価格は明確に上がりました。
同クラスのホンダPCX125が新車で40万円台前半から狙えることを考えると、トリシティ125は10万円以上高い価格帯になります。3輪機構ぶんのコストなので妥当とも言えますが、125ccにこの金額を割高と感じる人がいるのも事実です。
安定性に価値を見いだせるかどうかが、この価格を納得できるかの分かれ目になります。
タイヤ3本と実燃費差で維持費が上振れする
前2輪・後1輪のトリシティは、タイヤが合計3本必要です。タイヤ構成は次のとおりで、交換時はタイヤ代も工賃も2輪より多くかかります。
- 前タイヤ:90/80-14 を2本
- 後タイヤ:130/70-13 を1本
オーナーからはタイヤ交換費が2輪のおよそ1.5倍という声もあり、ブレーキも前2系統あるぶん消耗品コストがかさみます。
燃費の面でも差が出ます。カタログ値は定地42.4km/L(60km/h・2名)、WMTCモード45.4km/Lですが、みんカラの給油記録(2600件超)の平均実燃費は約37km/Lです。PCX125の実燃費50km/L前後と比べると、日々の燃料費でじわじわ差がつきます。
車検が不要な125ccとはいえ、タイヤと燃費という2点で維持費が上振れする構造だと理解しておきましょう。
年8000km走る人なら、実燃費37km/Lと50km/Lの差はガソリン代で年1万円前後になり、ここにタイヤ交換の割高分が数年おきに上乗せされます。維持費を軽視して買うと、じわじわ効いてくる後悔ポイントです。
購入前に試算しておくこと
自分の年間走行距離を当てはめて、ガソリン代とタイヤ代を2輪と比較で試算しておきましょう。距離が短い人なら燃費差はほとんど気になりませんが、毎日通勤で乗る人ほど差が積み上がります。車検が不要でも維持費がゼロに近いわけではない、と先に理解しておくと購入後のギャップを避けられます。
後悔ポイントを一覧で把握する
ここまでのデメリットを一覧にまとめると、それぞれが安定という長所の裏返しであることが見えてきます。次の表は、よく挙がる後悔ポイントと、その実情、そして見落としやすい補足を整理したものです。
数字はヤマハ公式スペックとオーナーの給油記録に基づく目安なので、最終的には試乗と自分の使い方で確かめてください。一覧で見ると、どの項目も自分の用途次第で許容できるかどうかが変わると分かります。
| 後悔ポイント | リアルな実情 | 補足 |
|---|---|---|
| 車両重量 | 173kg(PCX比+約40kg) | 走行中は安定、低速の取り回しで負担 |
| 立ちゴケ | 3輪でも停車時は足で支える | 前2輪は走行用で自立機構ではない |
| 車幅 | 全幅750mmで広め | すり抜け・狭い駐輪枠が不利 |
| 価格 | 572,000円(2026年) | PCX比で10万円以上高い |
| 実燃費 | 平均約37km/L | カタログ42.4km/L・PCXより低め |
| 維持費 | タイヤ3本・前2系統ブレーキ | 交換費は2輪の約1.5倍の声 |
後悔する人・しない人の分かれ目と回避策

デメリットの中身が分かったら、それを自分の使い方に当てはめる段階に進みます。同じトリシティ125でも、用途によって満足度は大きく割れます。ここからは、どんな人が後悔しやすく、どんな人なら満足できるのかを具体的に整理し、後悔を減らすための現実的な手順まで示します。
よくある質問
Q. 通勤メインならトリシティ125で後悔しませんか?
通勤路の条件次第です。雨の日も走る、マンホールや路面の継ぎ目が多い、信号で頻繁に止まるといった通勤路なら、前2輪の安定が効いて満足度は高くなります。逆に、渋滞をすり抜けで抜けたい、職場の駐輪枠が狭いという条件だと、車幅と重さがストレスになり後悔につながりやすくなります。自分の通勤路を具体的に思い浮かべて判断してください。
Q. 初めての原付二種にトリシティ125は重すぎますか?
走行中はむしろ安定して扱いやすいので、走り出してからの不安は少ない車種です。注意すべきは停車時の取り回しで、173kgを押し引きできるか、足着きに余裕があるかがポイントになります。シート高は770mmなので、試乗で両足の着き具合と押し引きの感触を必ず確かめましょう。そこに不安がなければ、初心者でも安定性の恩恵を受けられます。
用途別の向き・不向きを見極める

トリシティ125が向く人と向かない人は、使い方ではっきり分かれます。後悔の大半はここのミスマッチなので、自分がどちらに近いかを冷静に見極めることが、何より効果的な回避策になります。安定を求める人には満足度が高く、軽さやコストを求める人ほど後悔しやすい車種です。
向いている人の使い方
前2輪の安定が効くのは、滑りやすい路面や低中速での移動が多い人です。雨天通勤が多い人、マンホールや白線で滑った経験があって二輪に不安を感じる人、信号の多い市街地を流れに乗って走る人は、トリシティの安定性が日々の安心につながります。タンデムでパートナーや家族を乗せる機会が多い人にとっても、前2輪の接地感は心強い味方です。
こうした人にとって、重さや車幅は安定の対価として納得できる範囲に収まります。むしろ「これだけ安定するなら多少重くてもいい」と感じることが多く、満足度の高いレビューはこの層から多く出ています。安心して長く乗りたいという価値観の人に、トリシティ125は素直に応えてくれます。
後悔しやすい人の使い方
一方で後悔しやすいのは、軽さや機敏さ、コストを最優先する人です。渋滞をすり抜けで抜けたい人、狭い駐輪場しか確保できない人、高速道路を含む長距離を頻繁に走る人は、車幅・重さ・パワーの面で不満を感じやすくなります。
トリシティの最高出力は9.0kW(12PS)で、80km/hを超える領域では加速の伸びが穏やかになるため、長距離高速巡航が中心の使い方には物足りなさが残ります。
また「3輪だから倒れない」「燃費が良いはず」といった期待先行で買うと、現実とのギャップが後悔になります。これらの層は、軽量で実燃費の良いPCXやアクシスZといった2輪を選んだほうが満足できる可能性が高いです。
自分が安定を求めているのか、軽さやコストを求めているのかを言語化することが、ミスマッチを避ける第一歩になります。
パワーと加速をどう受け止めるか
パワー不足という指摘も、用途で評価が分かれる項目です。最高出力9.0kW(12PS)・最大トルク11N・mというスペックは、173kgの車重を踏まえると、市街地の発進や法定速度域では不足を感じにくい一方、80km/h超の伸びは穏やかになります。バイパスや郊外路を高めの速度で流す機会が多い人は、ここで物足りなさを感じやすくなります。
ただし、原付二種は法定60km/hまでの市街地移動が主戦場であり、その範囲ならトリシティの動力性能で不足なくこなせます。高速道路に乗れない125ccである以上、最高速の伸びを最優先する選び方自体がクラスに合っていないとも言えます。
自分が普段どの速度域で走るのかを思い返すと、このパワーが不満になるかどうかは見当がつきます。低中速中心ならパワー不足はほぼ気になりません。
競合の2輪と比べて選び直す視点
後悔を避けるには、トリシティ125を単体で見ず、同クラスの2輪と並べて検討するのが有効です。比べることで、自分が本当に安定を必要としているかがはっきりします。
軽さと燃費ならPCXやアクシスZ
軽さ重視の場合とコスト重視の場合で、最適な選択は変わります。軽さと燃費を重視するなら、ホンダPCX125(約132kg・実燃費50km/L前後)やヤマハアクシスZ(約100kg級)が有力です。これらはトリシティより数十kg軽く、実燃費も上回り、価格も抑えめなので、すり抜けや軽快な取り回し、燃料費の節約という点では明確に勝ります。
ただし、これらの2輪に前2輪の安定性はありません。雨の日の安心感やタンデム時の接地感を求めるなら、軽さや燃費を多少犠牲にしてもトリシティを選ぶ価値があります。
比較で大事なのは、どれが優れているかではなく、自分の優先順位はどちらかという視点です。安定が一番なら多少の重さと価格は許容でき、軽さや燃費が一番なら2輪に分があります。
判断に迷うなら、紙に「自分が原付二種に一番求めるもの」を1つだけ書き出してみてください。それが安定や安心ならトリシティが第一候補になり、軽さ・燃費・コストなら2輪が有力になります。
複数の希望を並べて全部を満たそうとすると選べなくなりますが、最優先を1つに絞ると、自分にとっての正解は驚くほどはっきりします。後悔は、優先順位をあいまいにしたまま勢いで買ったときに起きやすく、逆に一番の希望がはっきりしていれば、多少のデメリットは納得して受け入れられるものです。
価格差をどう評価するか
価格で見ると、トリシティ125の572,000円はPCX125より10万円以上高い水準です。この差額を「前2輪の安定性を買う費用」と考えられるかどうかが、納得して乗れるかの分かれ目になります。安定性に明確な価値を感じる人なら、この差額は保険のようなものとして納得できます。
逆に、安定性のメリットを具体的にイメージできないまま3輪は珍しくて良さそうという理由だけで10万円多く払うと、後で「PCXで十分だった」と後悔しやすくなります。
価格差を正当化できる使い方が自分にあるかを、購入前に言葉にして確認しておきましょう。差額に見合う安定の出番が自分の生活にあるかどうかが、判断の核心です。
試乗・中古・装備で後悔を減らすコツ
まずやるべきことは、買う前に実車で確かめることです。デメリットの多くは事前に体験すれば回避できるもので、ここを省くと後悔の確率がぐっと上がります。
試乗で重さと足着きを必ず確認する
試乗では、走行性能よりも停車時の取り回しに注目してください。押し引き、Uターン、足着きという3つを実際に試すと、173kgという数字が自分にとって許容範囲かどうかが体感で分かります。カタログの数字だけで判断せず、必ず自分の体で確かめることが、重さに関する後悔を防ぐ最も確実な方法です。
あわせて、自宅と職場の駐輪スペースに全幅750mmが収まるかも事前に測っておきましょう。試乗で扱えても、毎日停める場所に入らなければ意味がありません。重さと車幅という2大デメリットは、試乗と実測のひと手間でほぼ判定できるので、面倒がらずに確認することをおすすめします。
試乗の際は、できれば自分が普段履く靴で、平坦な場所だけでなく少し傾いた場所でも足着きを確かめてください。カタログのシート高770mmは数字としては標準的でも、シート幅やステップ位置の関係で実際の足着き感は人によって変わります。
停車から発進までの一連の動作を何度か繰り返して、無理なくこなせるかを体で確認しておくと、納車後に「思ったより扱いづらい」という後悔を避けられます。試乗は5分でも、この確認をするかしないかで購入後の満足度は大きく変わります。
中古という選択肢と装備での工夫
価格がネックなら、中古車も選択肢になります。トリシティ125は3輪というニッチさからリセールバリューが低めとされ、それは売るときには不利ですが、買うときには割安に入手できる裏返しでもあります。年式やモデルによる装備の違い(ABSの有無、メーターの仕様など)を確認したうえで、状態の良い個体を選べば初期費用を抑えられます。
装備面では、立ちゴケ対策のエンジンガードやスライダー、滑りにくいグローブ、保管場所の整備などで日々のストレスを減らせます。デメリットは消せない欠点ではなく、準備で和らげられる特性として向き合うと、トリシティ125との付き合いはぐっと楽になります。後悔の芽を事前に摘んでおくことが、長く満足して乗るコツです。
中古を選ぶときは、年式によって装備が大きく違う点に注意してください。旧モデルにはABS搭載グレードがある一方、後年のモデルはABSがTCS(トラクションコントロール)に置き換わるなど、世代で構成が変わります。
中古は価格だけで選ばず、必要な装備が付いているかをモデルごとに確認するのが、買ってから「装備がなかった」という後悔を避けるコツです。
トリシティの最大の特徴であるLMW(リーニング・マルチ・ホイール)テクノロジーは、車体をバンクさせて旋回するという二輪車の特性はそのままに、前2輪により接地感と安定性を高めています。
(出典: ヤマハ発動機 トリシティ125 製品情報)
購入前に整理しておきたい判断材料

ここまでのデメリットと向き不向きを踏まえると、購入判断は感覚ではなく具体的な条件で詰められます。後悔を残さないために、買う前に自分の状況を一度書き出して整理しておくのがおすすめです。安定という長所に明確な出番があり、重さ・車幅・価格という対価を許容できるなら、トリシティ125は満足度の高い相棒になります。
ここまで挙げてきたデメリットを振り返ると、重さ173kg・全幅750mm・価格572,000円・実燃費約37km/Lという数字は、どれも前2輪による安定性という1つの長所から派生していました。だからこそ判断はシンプルで、その安定性に自分の生活で出番があるかどうかに帰着します。
雨天や低速の市街地が主戦場なら数字のデメリットは対価として納得でき、軽快さやコストが主目的なら同じ数字が不満として残ります。感覚で「3輪は良さそう」と決めるのではなく、自分の使い方という具体的な物差しに当てて判断することが、後悔を避ける最後の関門になります。
対価を許容できるかで最終判断する
最後に確認すべきは、3つの対価を自分が許容できるかどうかです。重さ173kgの取り回し、全幅750mmの車幅、PCXより10万円以上高い価格、この3つに見合うだけの安定性の出番が自分の生活にあるなら、トリシティ125は後悔しにくい選択になります。
逆に、いずれかの対価が許容できないと感じるなら、無理に選ばず軽量な2輪を検討するほうが満足度は高くなります。判断材料がそろえば、購入後の後悔はかなりの確率で防げます。下のチェックリストを自分のケースで埋めて、最終確認に使ってください。
購入前チェックリスト
以下の項目を自分の言葉で埋めてみると、後悔するかどうかの見通しが具体的になります。
- 自分の通勤・走行ルートに前2輪の安定が効く場面(雨天・低速・市街地)があるか
- 173kgの押し引き・Uターンを試乗で体験し、扱えると確認したか
- 自宅と職場の駐輪スペースに全幅750mm・全長1995mmが収まるか実測したか
- すり抜けや高速長距離を多用する使い方ではないか
- PCX等との価格差10万円以上を安定性の対価として納得できるか
- 3輪でも停車時は足で支える(立ちゴケする)ことを理解しているか

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