「ホンダのPCXって、結局何ccがあるの?」と検索でたどり着いた方は、PCXのバリエーションが思ったより多くて整理できていない状態かもしれません。本記事は、20代後半〜40代でPCXの購入や乗り換えを検討中、原付二種と軽二輪の境界が曖昧で迷っているライダーを想定し、PCX125・PCX160・PCX150・PCXハイブリッドの4系統を排気量軸で2026年5月時点の制度・税金とあわせて整理します。読み終えれば、自分にどの排気量が合うかが判断できます。
PCXシリーズの排気量バリエーションを完全整理

結論から言うと、ホンダのPCXシリーズには「124cc」「149cc」「156cc」の3つの実排気量と、ハイブリッド系の「124cc+モーター」を加えた4系統の派生があります。2026年5月時点で新車として買えるのは現行のPCX125(124cc)とPCX160(156cc)の2モデルだけで、PCX150(149cc)とPCXハイブリッド(124cc)はすでに新車販売を終えています。
PCXは「125ccの原付二種」だけと思っている人は多いですが、実際は125cc超〜250cc以下の軽二輪枠に入る156ccモデルもあります。この境界線を超えると、必要な免許・税金・保険・走れる道が一気に変わるのが選び方の核心です。
つまり「PCXの排気量を理解する」とは「124cc・156ccの数字を覚える」ことではなく、「原付二種と軽二輪の制度上の境界が125ccで切られる」という法的線引きを押さえることに等しい、と言い換えられます。以降のセクションでは各モデルの正体と、排気量がもたらす制度上の差を順に解きほぐします。
現行PCX125(124cc・原付二種)の正体
PCXシリーズの本流は124ccのPCX125で、2010年デビュー以来5世代続く原付二種スクーターです。2025年2月のフルモデルチェンジで現行5代目(型式8BJ-JK05)が登場しました。
「2025年型のPCX125は、ヘッドライト一新とメットイン拡大で実用性が確実に上がった。124ccという排気量と原付二種というカテゴリーは変わらないが、装備の現代化で日常使いの完成度が一段引き上げられている」
—— Motor-Fan 2025年型PCX試乗記事の論旨を要約
公式情報
現行PCX125の総排気量は124cm³、最高出力9.2kW(12.5PS)/8,750rpm、燃費WMTC47.7km/L、車両重量133kg、メーカー希望小売価格は税込379,500円です(Honda公式PCXページ)。法的には「原付二種」枠に入り、必要免許はAT小型限定普通二輪以上です。
「PCX125」と「124cc」が混同される理由
よくある誤解として「PCX125は125ccちょうど」というものがありますが、実排気量は124ccです。そして法的な「原付二種」区分は「90cc超〜125cc以下」と定義されているため、124ccのPCX125はその枠の上限ギリギリに位置しています。
Wikipedia ホンダ・PCXによれば、初代JF28(2010年)から現行JK05まで、エンジンの実排気量は一貫して124ccです。「PCX125」は商品名の便宜的な表記で、実数値とは1cc違うという理解が必要です。
注意点として、この124ccという数値はPCXハイブリッド(JF84/JK06)も同じです。「124cc=ハイブリッドだけの特殊スペック」と思い込むと、現行PCX125とハイブリッドの法的扱いの共通点を見落とします。
PCX125の世代別マイルストーン
データで見ると、PCX125は5世代の進化を経ています。初代JF28(2010〜2013)はタイ生産、2代目JF56(2014〜2018)でベトナム生産に切替、3代目JF81(2018〜2020)でスマートキー採用、4代目JK05前期(2021〜2024)でeSP+エンジンとフレーム新設計、5代目JK05後期(2025〜)でメットイン拡大とヘッドライト一新(バイクの系譜 PCX)。
世代を追うごとに装備は確実に増えていますが、排気量と法的区分は変わっていません。中古で旧世代を買っても税金・免許の枠は現行と同じで、ファミリーバイク特約の対象にもなります。
たとえば中古市場でJF81(2018〜2020)を狙う場合、税金や保険の扱いは現行JK05と同じになるため、年間維持費の比較はそのまま流用できます。
現行PCX160(156cc・軽二輪)の正体
PCX125の派生として、156ccの「軽二輪」枠に入るのが現行PCX160です。型式は8BK-KF47で、2021年のデビュー時に当時のPCX150(149cc)から156ccへ拡大しました。
156ccという中途半端な数字の意味
ポイントは、156ccという排気量は「軽二輪枠(125cc超〜250cc以下)」のなかでは小さい部類だという点です。Honda公式によれば、現行PCX160の総排気量は156cm³、最高出力12kW(15.8PS)/8,500rpm、燃費WMTC44.9km/L、車両重量134kgです。
156ccという数字は、PCX125のボア・ストロークを大型化して新エンジン「eSP+」と組み合わせた結果。PCX125(124cc)からの上乗せは32ccにとどまるため、車格はほぼ同じで、税金や免許だけが上の枠に上がります。
逆に言えば、156ccという数字を見て「250cc級の大型バイク」と誤解する必要はありません。シート高764mmはPCX125と同じで、扱いやすさはほぼ変わらないと考えて差し支えありません。
PCX150(149cc)からPCX160への拡大経緯
意外と見落とされがちなのが、PCX160(156cc)は前身のPCX150(149cc)から+7ccしか増えていないという点です。小型モトのPCX150 vs 160解説によれば、2020年にPCX150(KF30)が新車販売を終了し、2021年にPCX160(KF47)へ世代交代。排気量拡大の理由は新エンジン「eSP+」採用に伴うボア・ストローク変更で、結果として7cc増えたという経緯です。
149→156ccの+7ccは、法的区分(軽二輪・125cc超〜250cc以下)が同じため、必要免許・税金・自賠責は何も変わりません。中古でPCX150(149cc)を買っても、現行PCX160(156cc)と税制上の扱いは同じです。
つまり「PCX150は廃止」「PCX160は後継」というのが2026年現在の整理ですが、実走面でPCX150から160へ大きく性能が上がったわけではなく、エンジン世代交代に伴う数字の調整という側面が強い変更です。
廃止モデル PCX150(149cc)と PCXハイブリッド(124cc)の整理

PCXシリーズには現行2モデル以外に、すでに新車販売を終えた2系統があります。中古市場で見かけるこの2系統の正体を押さえないと、「PCXの排気量」を完全に整理したとは言えません。
PCX150(149cc・軽二輪):2020年で新車販売終了
「PCX150は新車で買えますか?」という声をよく聞きますが、答えは2020年で新車販売終了です。最終モデルKF30(2018〜2020)以降、後継のPCX160(KF47)にバトンタッチしました(バイクブロス PCX150カタログ)。
PCX150は3世代(KF12→KF18→KF30)にわたって展開され、いずれも149ccで軽二輪枠。法的扱いは現行PCX160と同じため、中古で買っても税金・免許・高速可否はPCX160と同じになります。
2018年以降の最終世代KF30なら、現行PCX160と装備・走行性能の差は小さく、中古相場が安いぶんコスパでは有利な選択肢です。PCX150中古の狙い目年式と価格相場を別記事で扱っているので、年式選びの詳細はそちらを参照してください。
PCXハイブリッド(124cc・原付二種):2022年10月生産終了
結論から言うと、PCXハイブリッド系統は2022年10月で生産終了し、新車販売はありません。初代PCX HYBRID(JF84・2018〜2020)と後期PCX e:HEV(JK06・2021〜2022)の2世代で系譜が途絶えています(pcxgo.jp 生産終了解説)。
排気量は両世代とも124ccで、48Vリチウムイオンバッテリーと1.9PSのモーターアシストを組み合わせた構成。法的にはエンジン排気量で区分されるため「原付二種」扱いで、PCX125と同じく高速・自動車専用道路には乗れません。
中古市場で「124ccのPCXハイブリッド」と「124ccのPCX125」を見比べる場合、税金・免許・保険の扱いはどちらも同じです。PCXハイブリッドの今と中古相場の詳細は別記事で扱っています。
PCX ELECTRIC:法人リース限定だった電動PCX
データで見ると、PCX ELECTRICは2018年から法人・個人事業主向けリース販売のみで、一般店頭での新車販売は行われていません。AC同期電動機の最高出力は4.2kW(5.7PS)、1充電航続距離は約41kmと近距離コミューター仕様でした(Honda公式 PCX ELECTRIC)。
PCX ELECTRICもPCX e:HEVと前後して2022年に生産終了。一般ユーザーが新車・中古で手に入れる選択肢ではほぼなく、「PCXの排気量」を整理するうえでは「ガソリン排気量0cc・電動」という枠外の派生として記憶しておけば十分です。
ホンダの電動コミューターは2023年以降「EM1 e:」など別系統に役割が移っており、PCX系統での電動再投入は2026年5月時点で公式アナウンスがありません。
| 観点 | PCX125(JK05) | PCX160(KF47) | PCXハイブリッド(JK06) |
|---|---|---|---|
| 総排気量 | 124cm³ | 156cm³ | 124cm³+モーター |
| 最高出力 | 12.5PS/8,750rpm | 15.8PS/8,500rpm | エンジン12.5PS+モーター1.9PS |
| 燃費(WMTC) | 47.7km/L | 44.9km/L | 51.2km/L |
| 車両重量 | 133kg | 134kg | 136kg |
| 法的区分 | 原付二種 | 軽二輪 | 原付二種 |
| 新車販売 | 現行(2026年5月) | 現行(2026年5月) | 2022年10月終了 |
| 新車税込価格 | 379,500円 | 462,000円 | 448,800円(終売時) |
排気量で何が変わる?免許・税金・保険・走れる道と「自分はどれを選ぶべきか」

PCXの排気量を整理したら、次の関心は「124ccと156ccで実際に何が変わるのか」です。125ccという数字は、必要免許・年間税金・自賠責保険・任意保険・高速可否のすべてを切り替える法的境界線で、PCX125とPCX160の選択は事実上ここで決まります。2026年5月の最新制度を踏まえて整理します。
「PCX125とPCX160の維持費差で最も効くのは、ファミリーバイク特約の有無。年間2〜4万円の差は、走らせ方より家庭の自動車保険の有無で決まる」
—— HondaGOバイクラボ PCX125 vs 160比較記事の論旨を要約
必要免許の境界線:125ccで「小型限定」と「普通二輪」が分かれる
PCX125とPCX160で最初に違うのが、必要免許の枠です。125cc以下のPCX125は「AT小型限定普通二輪免許」で乗れますが、156ccのPCX160は「普通二輪免許(〜400cc)」が必要になります。
AT小型限定 vs 普通二輪、教習費の差
結論から言うと、AT小型限定普通二輪と普通二輪では教習費用が3〜5万円ほど違います。普通自動車免許保有者の通学相場で、AT小型限定が7万円台〜、普通二輪が10〜13万円程度です(バイクの窓口 原付二種免許費用)。
教習期間も異なり、AT小型限定は最短2〜3日(合宿利用)、普通二輪は最短10日前後が目安です。「免許取得の最小限のコストでPCXに乗りたい」ならAT小型限定でPCX125、「将来250cc以上にもステップアップしたい」なら普通二輪で枠を広げておく判断になります。
注意点として、AT小型限定でPCX160に乗ると無免許運転扱いになります。中古市場でPCX160を買う前に、自分の免許区分を必ず確認してください。
大型二輪免許保有者は両方OK
意外と見落とされがちなのが、大型二輪免許を持っている場合は両方とも問題なく乗れるという点です。大型二輪免許は「全排気量のバイクが運転できる」上位資格なので、原付二種・軽二輪・大型二輪のすべてをカバーします。
大型バイク免許の取り方と費用の詳細を別記事で扱っていますが、もし普通二輪取得後にステップアップを考えるなら、PCX160を1段目として大型へ進む流れも選択肢になります。
ただし、最初からPCX125相当の通勤・近距離専用と決めているなら、大型二輪まで取るのはオーバースペックです。用途を絞って必要最小限の免許枠を選ぶほうが、教習費を10万円規模で節約できます。
AT小型限定でPCX160を狙うなら限定解除が必要
「AT小型限定でPCX125を買ったが、後でPCX160に乗りたくなった」という声をよく聞きます。この場合は限定解除審査または普通二輪追加教習が必要で、教習所通学で5〜8万円、合宿で4〜6万円が目安です。
限定解除審査は教習所での技能試験で、所要時間は最短1〜2日。受験には事前の練習が必要で、ぶっつけ本番で受けると不合格になりやすいので、教習所コースで受けるのが安全です。
注意点として、AT小型限定からの限定解除は技能のみで学科試験は不要ですが、MT車ではなくAT車での教習になります。最初からPCX160を視野に入れるなら、AT小型限定ではなく普通二輪を1回で取る方が二度手間を避けられます。
軽自動車税・重量税・自賠責保険料(2026年最新)
排気量が125ccを超えると、税金・保険の構造が変わります。年間維持費に直接効くので、数字で押さえてください。
2026年5月時点の税率
軽自動車税は90cc超〜125cc以下が年2,400円、125cc超〜250cc以下が年3,600円。重量税は125cc以下が0円、軽二輪は新車登録時のみ4,900円。自賠責12ヶ月は本土で原付二種6,910円、軽二輪7,100円です(2026年バイク税金まとめ)。
年間税金の差は1,200円、5年で6,000円
データで見ると、PCX125(年2,400円)とPCX160(年3,600円)の軽自動車税差は年1,200円です。5年所有しても累計差は6,000円で、月割では月100円。維持費の中では小さい部類に入ります。
重量税は新車登録時のみ4,900円が軽二輪に課されますが、車検がない軽二輪では2回目以降の支払いはありません。所有期間の総額で見ると、軽二輪に追加でかかる重量税は4,900円ぽっきりです。
たとえば10年所有した場合、PCX125とPCX160の税金累計差は軽自動車税12,000円+重量税4,900円=16,900円。「税金で選ぶ」と判断するには小さすぎる差で、本当に効いてくるのは次の任意保険です。
2026年度の自賠責改定(約6%引き上げ見込み)
ここで重要なのは、自賠責保険料が2026年度内に約6%引き上げ予定で公表されている点です。自賠責13年ぶり値上げ解説によれば、2026年4月の金融庁審議会で改定方針が示されました。
仮に6%引き上げが実施されると、原付二種12ヶ月は6,910円→約7,300円、軽二輪は7,100円→約7,500円と、数百円規模の上昇です。複数年契約(36ヶ月)なら原付二種10,170円→約10,800円、軽二輪10,710円→約11,400円となります。
注意点として、改定の正式時期と幅は2026年5月時点で未確定です。新規登録予定がある人は、改定前に長期契約で固定するか、改定後の正式数値を待つかの判断が必要です。
原付二種は重量税0円・車検なしの優遇
ポイントは、PCX125(原付二種)は重量税0円・車検なしの優遇を受けられる点です。軽二輪のPCX160は重量税4,900円が新規登録時にかかりますが、車検は同じくありません(250cc以下は車検なし)。
つまり、所有期間中に発生する「制度コスト」の差は軽自動車税の年1,200円差と新規登録時の重量税4,900円のみ。年あたりに換算すると、5年所有で約2,200円/年、10年所有で約1,700円/年の追加負担です。
これを基準に「PCX160は維持費が高い」と言えるかどうかは、後述の任意保険を含めた総額で判断する必要があります。
任意保険:ファミリーバイク特約の有無で年間2〜4万円変わる

排気量で最大の維持費差が出るのが任意保険です。ここを軽視すると、5年累計で10万〜20万円の差になります。
PCX125はファミリーバイク特約OK
結論から言うと、PCX125(124cc・原付二種)は家族の自動車保険に「ファミリーバイク特約」を付帯できます(保険ほっとライン ファミバイ特約解説)。年間特約料は5,000〜1万円程度で、独立加入と比べて2〜4万円安くなります。
特約の対象は「125cc以下のバイク」と定められているため、PCX125とPCXハイブリッドはどちらも適用可。家にすでに自動車保険があり、家族のうち一人が車を所有していれば、追加コストは最小限で済みます。
たとえば30代・自家用車保有世帯で、PCX125を1台追加する場合、年間の任意保険コストは特約料7,000円程度で済む計算です。
PCX160は単独加入で年2〜5万円
「ケースが多い」という曖昧な言い方を避けて数字で言うと、PCX160(156cc・軽二輪)はファミリーバイク特約の対象外で、単独でバイク保険に加入する必要があります。20〜30代の年齢条件で年2万〜5万円、20代新規6等級なら年5万円超の事例もあります。
5年所有を前提にすると、PCX125(特約年7,000円)とPCX160(独立加入年2万円)の保険料累計差は約6万5,000円。これにPCX125の場合は所有しない車保険の存在が前提になるため、家庭の保険体系全体で再計算する必要があります。
逆に、車を持っていない単身者ならファミリーバイク特約自体が使えないため、PCX125でもPCX160でも独立加入が必要です。この場合は保険料差はほぼなくなり、税金差(年1,200円)だけが効きます。
5年累計の維持費差は10万〜15万円規模
データで見ると、車保有世帯がPCX125とPCX160を5年所有した場合の累計維持費差は、税金約1万円+自賠責ほぼ同額+任意保険差約6.5万円=合計7〜8万円程度です。これに新車価格差82,500円を加えると、トータルで15万〜17万円の差になります。
逆に、車を持たない世帯では任意保険差がほぼ消えるため、5年累計差は税金1万円+新車価格差82,500円で約9万円。「PCX160を選ぶと維持費がどれだけ上乗せされるか」は、家庭の自動車保有状況で大きく変わります。
ただし、これらの数字は「保険料は等級・年齢・走行距離で大きく変動する」前提です。PCX125の維持費の詳細とPCX160中古の選び方もあわせて読むと、自分のケースに当てはめやすくなります。
走れる道と混同しやすいルール(30km/h・二段階右折は無関係)
排気量による走行可否は、PCXシリーズで最もよく勘違いされる領域です。「原付二種は何が制限される?」を正しく理解しないまま選ぶと、買ったあとに後悔につながります。
PCX125は高速・自動車専用道路NG
最初に確認すべきは、PCX125(124cc・原付二種)は高速自動車国道と自動車専用道路の通行が法律で禁止されている点です(SBIのバイク保険比較)。一般道は法定60km/hで走行可、二人乗りも条件付きで可能です。
通行禁止違反のリスク
「自動車専用道路」には首都高速のような有料路線だけでなく、無料の自動車専用道(バイパスの一部など)も含まれます。原付二種で乗り入れた場合は通行禁止違反になり、3点減点・反則金7,000円の対象です。ナビアプリの経路案内で誘導される場合があるため、出発前に「125cc用ルート」「自動二輪専用道避け」設定を有効化してください。
逆に、PCX160(軽二輪)は同じ道路カテゴリーをすべて走行可能です。「ナビが自動車専用道路に案内してくる」が日常的に起きる地域に住んでいるなら、その時点でPCX160を検討する動機になります。
PCX160は高速・タンデムでもOK
ポイントは、PCX160(156cc・軽二輪)は高速・自動車専用道路の通行が可能で、タンデム走行も条件付きで認められる点です。
高速道路でのタンデム走行には「免許取得後3年経過かつ20歳以上」の条件があり、首都高など一部の都市高速ではさらに細かいタンデム禁止区間があります。一般高速道路(東名・名神など)は条件を満たせば二人乗りで走行可能です。
たとえば30歳・普通二輪免許取得5年目のライダーが恋人とPCX160で東名を走るケースは合法。一方、首都高6号向島線などタンデム禁止区間ではNGなので、出発前に事前確認が必要です。
30km/h制限・二段階右折はPCX125に無関係
よくある誤解として「原付=30km/h制限・二段階右折必須」というものがありますが、これは「原付一種(〜50cc)」のルールで、PCX125(原付二種)には一切適用されません。
PCX125は法定60km/hで一般道を走れ、二段階右折も不要です。バイクで田舎道の解説でも、原付二種と原付一種の区別を読者が混同しがちな点に注意喚起されています。
ただし、原付二種は「ピンクナンバー」または「黄色ナンバー」で、見た目が原付一種と紛らわしいことがあります。警察官に止められた場合に説明できるよう、車検証(軽自動車届出済証)を携行しておくと安心です。
用途別「自分に合うPCX」判断フレーム
ここまでの情報を整理すると、PCXの排気量選びは「高速利用の有無」「家庭の自動車保険の有無」「免許保有状況」の3軸で大半の判断ができます。
3つの軸で当てはめる判断ロジック
「高速・自動車専用道路を年5回以上使うか」「家にファミリーバイク特約を付けられる自動車保険があるか」「普通二輪免許まで取得済みか/取得予定か」の3問に答えると、PCX125・PCX160のどちらが合うかがほぼ自動的に決まります。すべてYESならPCX160、すべてNOなら現行PCX125、混在する場合は次のH4で詳しく整理します。
街乗り中心で家に車保険ある人 → PCX125
結論から言うと、街乗り中心で年間走行5,000〜1万kmかつ家に自動車保険がある人は、現行PCX125(税込379,500円)が最適です。ファミリーバイク特約で任意保険を年7,000円前後に抑えられ、税金・燃費・整備コストすべてが軽くなります。
このケースでは、5年累計の維持費は車両本体+諸費用42〜43万円+税金1.2万円+特約料3.5万円+ガソリン代約12万円(年1万km・燃費47km/L・170円/L換算)で、約58万円が目安です。
ただし、家族が高速ツーリングに連れて行きたい・年に数回でも有料道路を使いたいなら、買ったあとで「PCX160にしておけばよかった」と後悔するパターンに陥りやすくなります。
月1回以上高速を使う/2人乗りで遠出 → PCX160
「街乗りだけの場合と高速使用ありの場合で対応が変わります」というのが、PCX125とPCX160の境界線です。月1回以上の高速・自動車専用道路利用、または2人乗りでの遠出を想定するならPCX160(税込462,000円)が必要です。
5年累計の維持費は車両本体+諸費用51〜53万円+税金約2万円+任意保険約10万円+ガソリン代約13万円(年1万km・燃費44.9km/L換算)で、約76万円が目安。PCX125ルートとの差は約18万円で、その対価として「高速で東京〜横浜45分」「タンデムでの遠出」の自由度が手に入ります。
注意点として、普通二輪免許の取得が前提です。AT小型限定しか持っていない場合、限定解除審査または普通二輪追加取得(教習所で5〜8万円)が必要になります。
中古で安く買って通勤特化 → PCX150(KF30)
意外と見落とされがちなのが、PCX150(KF30・2018〜2020年式)が中古市場で20万円台後半〜30万円台前半で見つかる点です。法的区分は現行PCX160と同じ軽二輪なので、高速・自動車専用道路もOK、ファミリーバイク特約は対象外。
装備差はeSP+エンジンとスタイリングが古い程度で、走行性能は現行PCX160と大きく変わりません。「高速も使いたいが新車予算がない」「通勤特化で5年程度の所有を想定」する人にとっては、コスト面で合理的な選択肢です。
ただし、新車保証が切れた中古なので、購入時の整備状態と販売店の整備保証は確実にチェックしてください。PCX150中古の狙い目年式と価格相場を別記事で扱っています。
あなたに合うPCX排気量を最終決定するチェック

2026年5月時点の制度・税率・新車価格を踏まえて、PCX排気量選びは以下の3つのルートに集約できます。あなたの状況に合うものを選んでください。
- PCX125(124cc・現行)が向いている人: 街乗り中心で年走行1万km以下/家に自動車保険があってファミリーバイク特約を使える/AT小型限定で免許取得を最短にしたい人
- PCX160(156cc・現行)が向いている人: 月1回以上の高速・自動車専用道路利用がある/2人乗りでの遠出を想定/普通二輪免許保有または取得予定の人
- PCX150(149cc・中古)が向いている人: 高速も使いたいが新車予算50万円超を抑えたい/5年程度の中期所有でコスパ重視/2018〜2020年式KF30の良質中古が見つけられる人
選択前に必ず確認したい3つのチェック項目は以下です。
- 家庭の自動車保険にファミリーバイク特約を付けられるか(PCX125ルートの維持費前提)
- 自分の免許枠でPCX160(156cc)に乗れるか(AT小型限定では不可、普通二輪以上が必要)
- 年間で高速・自動車専用道路を何回使うか(5回未満ならPCX125、5回以上ならPCX160が合理的)
最初の一歩は、自宅に届く自動車保険の証券を確認してファミリーバイク特約の有無と適用条件を確認すること。これだけでPCX125ルートが現実的かどうかが即判断できます。新車購入を急がないなら、2026年度の自賠責改定動向を1〜2ヶ月見極めてから動くのも合理的です。

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